義父と暮らせば
作:西田三郎

「第7話」

■何だってしてあげる


 お義父さんのインポは続いた。

 まあ歳だからねえ……とあたしは気楽に考えていた。
 男の人が思っているほど、セックスにおいて挿入されるか否かってことは(……すごいこと言ってるね、あたし)女にとっては……まあ、特にあたしにとってはそれほど重要じゃない。裸でじゃれあったり、キスしたり、お互いのアレを触りっこしたり……そんなことでも結構あたしは満足だったのだけど、お義父さんはだんだん落ち込んでいった。
 お義父さんは気持ちの浮き沈みが可愛らしいほど見た目に現れる人だ。
 そんなお義父さんは滑稽でもあったが、悲しくもあった。
 なんだか、挿入できないことで、あたしに対して悪いと思っているみたいだった。ものすごい見当違いなのだけれど……男の人……つまりお義父さんにとっては、それは深刻な問題なのだろう。

 あたしに何かしてあげられることはないだろうか……あたしは実際、家でぶらぶらしてお義父さんに完全に養ってもらっている格好だったので、そんな自分の立場を認識すればするほど、お義父さんのために何かしてあげたくなった。ちょっと人間としてイヤらしいだろうか?まあイイや。
 
 ある日、あたしはお義父さんが帰ってくるまでに、中学時代の制服を引っ張り出して着てみた。

 さすがに胸はぱんぱんになったので、ブラウスはまだパンパン具合が少しマシな高校時代のものを代用した。とてもこんな姿、人に見せられたものではないなあ、などと思っていたが、鏡の前に立つと妙に自信を取り戻してしまった。
 あたしは今でもほとんどお化粧をしなかったが、自分で言うのもなんだがまだまだスッピンには自信があった。 確かになんかいかがわしい感じがしないでもないけど……まだまだ充分、10代の小娘に見えるではないか。
 それを知って安心したわたしは、ウキウキ気分でその恰好のまま、家を掃除したりした。
 慣れないけれども、お義父さんの為に料理を作った。
 レンズ豆のカレー。悪くない味だった。
 
 さて午後6時、お義父さんが家に帰ってきた。
 
 「おっかえりなっさーい」あたしは制服姿でお義父さんを出迎えた。
 「さ、さゆり」お義父さんは手に持っていたカバンを下に落とした
 「………どう、久しぶりに引っぱり出してみたの。結構、まだいけてるでしょ」
 「あ………あ………」
 お義父さんは靴を脱ぎ散らかして玄関を駆け上がると、あたしを抱きしめた。
 思った以上の効果に、あたしは正直言ってたじろいだ。
 「さゆり………さゆり………」お義父さんはその場でキスをしてきた。板間に押し倒されかねない勢いだった「……いいよ………さゆり………とっても可愛いよおおお
 「……ちょっと待って………待ってよお義父さん」あたしは慌てて言った「ね、ご飯作ったんだけど先食べる?それとも………後で?」
 「……後で!……後で!」お義父さんは鼻息荒く叫ぶ……後でいい!!
 「………もう、お義父さんほんとすけべなんだから」あたしはお義父さんの耳元で囁いた「ほら、お義父さん……はじめての時みたいに、リビングのソファでやってよ。ブラウスとか、引きちぎっちゃっていいからさ」

 お義父さんは顔を真っ赤に紅潮させて、あたしをそのまま抱きすくめてリビングまで引っ張っていった。お義父さんはここ数ヶ月のしょんぼりぶりがまるでウソのように、元気ハツラツだった。
 太股にスラックス越しのアレが当たっていたけど、そっちの方も……めちゃくちゃ元気になっていた。
 
 あたしもすごく亢奮してきた。
 
 こんなこと言うと、飢えてたみたいでイヤだけど、自分に対する相手の亢奮の匂いを嗅ぐというのはそんなに悪いものではない。あたしもかなり大胆になっていた。
 リビングにはそんなあたしたちにはお構いなしに、昼から煮込んでいたカレーの匂いが立ちこめていた。

 あたしはそのままお義父さんの前に跪くと、ズボンのチャックを降ろして、お義父さんのアレを引っぱり出した………ああ、なんてことだろう。お義父さんのそれはここ数ヶ月ぶりに……赤黒く変色していて、先っぽなんかは黒光りしていた。もう先端からは液が滲みだしている。
 
 「やだ……すっごい」あたしは言った「お義父さん、ものすごいことになってるよ」
 そう言ってあたしはお義父さんのカチンカチンのそれを手でなで回し、頬ずりした。
 「……お義父さんも……ちょっとビックリだよ、これは………」お義父さんが少し照れたような感じで言う「………もしこのまま……このままインポが続けば……お義父さん、お前にとんでもないことお願いするとこだったよ…………」
 「何?とんでもない事って?」たとえばペニスバンドをつけてお尻を犯してくれ、なんて言われてもあたしは平気だったと思う。「……言ってよ、したげるから
 「……いや、いいんだ……もう………おうっ」
 あたしは一気にお義父さんのズボンとパンツを降ろすと、お義父さんのアレにむしゃぶりついた。喉の奧まで入れて、激しく頭を前後させた。わざと音を立てて、先端まで唇を戻すと、また一気に喉まで飲み込む……それを何回も何回も何回も何回も繰り返した。
 季節は夏で外はまだ昼みたいに明るかったけど、部屋の中はカレーの匂いと、あたしがお義父さんのものをはげしくしゃぶる音で満ちていた。
 あたしはそれに飽きると、お義父さんの玉袋を揉みながら、あたしのよだれで濡れて光っているお義父さんの固い肉棒の側面をハミハミした。手でしごいた。先っぽの穴を舌で擽った。
 
 お父さんのアレは、さらに倍の大きさになったみたいだった。
 
 お義父さんはあたしを立たせると、あたしのブラウスの胸元に手を掛けて、力任せに両側に開いた。
 「きやっ」こんなふうにブラウスの前を開かれるのは、7年振りだった。
 あの時と同じように、床にパラパラと音を立ててブラウスのボタンが散らばる。
 でも引き裂かれたブラウスの中から現れたのは、7年前とはまったく違う、ちょっと成長し過ぎた胸だった。
 ブラジャーだって、少し高めのおっぱいがかっこよく見えるやつをつけておいた。
 「ああああ……
 お義父さんはあたしの胸の谷間に顔を埋めて、そこにキスをした。キスをしながら、お義父さんの手がスカートの中に入ってくる。お義父さんはそのままあたしのお尻をパンツの上からなで回した。さらに唇で首筋や耳元を責めてきた。あたしは結構それに弱い。
 「……あっ……んっ………お義父さん………別にいいけど、ちょっと焦り過ぎだよ
 「何言ってんだ………さゆり。お前が悪いんだぞ………お義父さんをこんなにして」そう言ってお義父さんはあたしの手を取って、アレを握らせた。「……ほら」
 「……あっ……何だか、ますますすごい……」
 あたしは荒々しくソファの上に投げ出された。
 お義父さんはあたしのスカートをほぼ引きちぎるようにしてはぎ取った。まああたしもそのつもりだったので気にしなかった。スカートの中には、レースのちょっと透けたパンツを履いておいた。
 はじめての時みたいにミスマッチな赤いパンツでもいいかな、と思ったけど。
 「……なんてやらしい下着をつけてるんだ!」お義父さんはゴキゲンさんだった「……さゆり……おまえはほんとうにいやらしい子た………いけない子だ……お義父さんがお仕置きをしてあげるからね」
 「……いいよ………して……」あたしは言った。自分でも熱っぽい声だと思った「おしおき、して
 お義父さんはあたしのレースのパンツを一気に刷り降ろし、足首から抜き取ると、部屋のどっか隅までそれを放り出した。そして……あたしの膝を立てて大きく左右に開くと……お義父さんが大好きで大好きなクンニタイムとなった。まるで猛獣みたいに、お義父さんの頭があたしの脚の間に入ってきた。
 あたしはお義父さんの髪をなでながら……最初のきつい刺激がやってくるのを待った。
 「ああんっ……!!!」思わず、悲鳴みたいな声をあげてしまった。
 あたしの弱点を知り尽くしているお義父さんは、脇目も振らずその部分を集中的に攻撃した。焦らしたり、はぐらかしたりは一切ナシだった。ほんとうに、あたしはあっという間にイってしまうところだった。
 「ま……待って………」あたしは息も絶え絶えになりながらい言った「……挿れ…て……」
 「……ほんとうにさゆりはいけない子だなあ……」
 お義父さんはあたしの脚の間から頭を出した。お義父さんの口の廻りが粘液で濡れて光っていた。このうえなくいやらしい感じだ。お義父さんの目は血走っていた……お義父さんは右手でしっかりと張りつめたアレを握ると、腰を押しつけてあたしのあの部分に狙いをつけた。
 「今日は………避妊……」
 「いいから来て!」あたしはお父さんの言葉を遮って、ほとんど叫んでいた。
 「ようし……行くよ」
 あたしは全身の筋肉を弛緩させて、それを受け入れる準備をした。先端がちょん、と触れる。
 「ああんっ!!」あたしはお義父さんの頭に手を回してしがみついた。
 「あれ………?」
 それは入り口で2、3度滑ったけど………何故か急速に勢いを無くして、遂にあたしに突き立てられることはなかった。
 
 
 二人、無言でカレーを食べた
 お義父さんは目に見えてしょんぼりしていた。
 あたしが悪いんだ……と思った。あたしがあんな小細工して、お義父さんを無理に亢奮させたから……お義父さんは逆に傷ついてしまった。あたしはカレーを食べながら、泣きそうになった。
 別に、挿れてくんなかったからって、そんなことはどうでもいい。お義父さん……ほんとにご免。
 「お義父さん……」あたしは言った「お義父さん、さっき言ってたよね。その………このまま元気にならなかったら、あたしに“とんでもない事たのむとこだった”って……」
 「…………いいんだよ、もう」お義父さんはあたしの目を見ようとしない。
 「何だってしてあげる。だから言って」あたしはお義父さんの手を取った。
 お義父さんが悲しそうにあたしを見た。いつの間にか、あたしは泣いていた。
 
 

<つづく>

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