実在少女
もしクラスメイトが淫行教師に調教された変態M少女だったら

作:西田三郎




■9 「阿部先生のこと」



 ……高野くんは、そのまま静かにドアを締めた。

 関口は結局、まったく気づかないまま……最後まであたしを突きまくり続けた。射精の後は……「良かったよ。天満。またな」と言い残して……ポケットティッシュで(自分のだけ)局部を拭き、ズボンを上げ、口を縛ったコンドームをポケットの中にしまって、そそくさと部屋を後にした。
  ぐったりと机の上でへばっているあたしを残して。
  会議かなにか、用事があったのだろう。その前に、スッキリしときたかったんだと思う。

 あたしはしばらく、パンツを口の中から出さずに、埃っぽい教壇の上にぺったり上半身をつけたまま、ぼんやり考え事をしていた。
 
  まずいことは、確かにまずい。

  でも……高野くんは、このことをみんなに触れ回ったりしないだろう。彼はそういうタイプの子ではない。このことには、ヘンな確信があった。それに……たとえ、万が一、彼がこのことを誰かに話したりしたとしても……そしてそのうわさが広まったとしても……あたしは何も失わない。
  関口はすべてを失うだろうけど。
  ま、教え子の女子中学生とさんざんいい思いができたのだから……関口にももう、これ以上思い残すことはないだろう。事実、最初はムリヤリっぽかったんだから、『そのまま関口先生に恥ずかしいネタで脅迫されて、ずっといやらしいことを強要されてたんですうっっ……』とか泣きながら訴えれば、関口がどんな弁韓をしようと、あたしがワルモノになることはない。
  って、ちょっとあたし、悪質すぎるだろうか……?

 それにあたしは……高野くんに関して、知っていることがひとつあった。
  それか、彼への妙な親近感と信頼につながったのかもしれない。
  彼も、あたしと同じような秘密を抱えているのだ。
  あたしはちょっと前から、そのことを知っていた。

  それは彼と、阿部先生との、かなーりいけない関係のことだった。

  阿部、というのはあたしたちの学校の女の先生の名前で、日本史を担当していた。
  たぶん歳は、30を過ぎているかいないか、微妙なところ。『女教師』って言うとなんかもう、字ヅラだけでエロいけれども、阿部はそういうイメージとはまったく違う。
  はっきりいって、いけてない女だった。
  いつも服は地味だし、髪はボサボサ。顔は……うーん……たぬきに似ている。
  体系はちょっとぽっちゃりしてる感じで、別にデブってわけでもないけど、脚は短いし、太いし、ちょっとお腹も出てるし……いいとこなんかほとんどない。

  あ、確かにおっぱいはちょっとだけ、人より大きい。
  あたしが阿部先生に負けているところがあるとするなら、おっぱいの大きさくらいだ。

  とにかく冴えない女だった。
  授業だって、ぶつぶつつぶやくようで、前の晩にたとえ10時間ぐっすり眠っていたとしても眠くなる。陰気で、マジメで、おもしろくない女だ。授業時間中、気のきいたギャクのひとつも飛ばさない。もちろん、男子たちには人気がなかった。ほとんどの男子からは無視されているか、たんに大きなおっぱいと地味な性格、中地半端なブサイクさをからかわれる存在くらいでしかなかった。『先生は処女ですかあ?』みたいなアホな男子からの振りにも、憮然とするだけで何の面白い反応もしない。まあそれは……人の好みはそれぞれだから、中にはマニアックな男子もいて、あのブサイクないでたちと巨乳のギャップがたまらん、みたいに彼女をオカズに2〜3発は抜いたことがある(あたし、下品だろうか?)男子もいたかもしれないが。

  そんな阿部と高野くんの関係を知っているのは、たぶん学校でもあたしだけだと思う。
  怪しいと思ってる子すら、一人もいないだろう。
 
  あの日、あたしは旧校舎の非常階段の裏で2人がキスしているのを見た。
 
  思わず、声を失った。
  自分は自分でさんざんとんでもないことをしておきながら何だけど、目の前で、一体『』と『』がキスしているのかというより、『』と『』がキスしているのかさえ一瞬わからなかったくらいだ。高野くんは阿部に壁に押し付けられるようにして、髪の毛をぐしゃぐしゃにされながら、阿部に口を犯されていた

 いや、大げさに言ってるんじゃなくて、まさに『犯されていた』っていうのがふさわしい。

  阿部は高野くんの唇を舐め、舌を突っ込み、腫れぼったい両手で全身を撫で回していた。
  あたしは階段の影から、そのいかがわしい光景を眺めていた。
  時折、高野くんが苦しそうに、ぷはっ、と阿部の唇を引き剥がし、息継ぎをする。すると阿部が高野くんの頭を捕まえて、また唇にしゃぶりつく。阿部はそうしながら、高野くんの股間に自分のぶっとい太股を割り込ませて、ぐいぐいとあそこを刺激していた。そして、引きちぎるようにワイシャツのボタンを上から外していった。高野くんの白い、薄い胸板と、ピンクの乳首があたしの隠れている場所からも見えた。ひええ、とあたしは思った。

  まったく、この学校、どうなってんのよ。
  子供を食い物にする、変態教師ばっかじゃん。
  何なの?なんでみんなそんなに飢えてるわけ??
  ってか、あたしたちも、なんでみすみすそんなのの食い物になってんだろう。
 
  高野くんが慌てていた。阿部がキスで高野くんの口を塞ぎながら、ズボンのベルトをはずし始めたのだ。彼は必死に抵抗していたが、あっというまにジッパーも下げられ、ズボンがすとん、と落ちた。グレーのボクサーショーツ……そう、今日履いてたのと同じやつだった……が見えた。
  ものすごく、いけないものを見ているような気がした。
  「あっ……先生、だめっ……」

 高野くんのか細い声が聞こえてきて……あたしはじわっ、っとくるのを感じた。

 もちろん、あの性欲にまみれたブスのメスブタ(阿部先生のことだ)が、そんな高野くんの抗議を聞き入れるわけがなかった。あたし以上に、阿部のパンツの中はべちょべちょになっているのに違いない。ブサイクな女ほどスケベが多いって話は聞いたことあったけど……それにしても、いたいけな少年になんてことを。高野くんは必死で抵抗したけれど、むなしくパンツは下ろされて……そこにすかさず阿部が顔をうずめる。

 「あっ……んっ……」

  顔を背けて、指を噛んで耐える高野くんが、異様にエロかった。
  最低だけど、あたしはその様子を見て、かなりコーフンしていた。阿部は……恥知らずに頭を動かしている。そのたびに、壁に押し付けられた高野くんが、びくん、びくん、と身体を震わせた。
  なんてことを。神聖な学校で、一体なにをしてるのあの人たちは。

  その様子をずっと眺めていたいのもやまやまだったけど、あたしにはその日、予定があった。
  せめて高野くんがイかされちゃうところを見届けたかったが……あたしは後ろ髪を引かれながらそっとその場所を後にした。……そしてそのまま、校舎内の階段を使って、3階まで駆け足で登った。3階には、空き教室がたくさんある。そして、約束の教室の前までくると……あたしはパンツを脱いで、自分のカバンの中にしまった。 
  パンツを脱いでこいと、関口に言われていたからだ。

  そこで焦ったのは、パンツを脱いだとき、もうすでにあそこの部分がかなり濡れていたことだ。
  げっ、と思った。ちょっと、自分がいやになった。

 教室に入ると、関口が教壇に腰掛けて待っていた。すでに、ズボンからちんこを取り出し、ギンギンの状態のそれを扱きながら。そして、関口はあたし言った。

 「ちゃんと……言いつけ守ってきたろうな……」
 
  ……あれ?……この話…………もうしたっけ?

 

 

 

 

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