実在少女
もしクラスメイトが淫行教師に調教された変態M少女だったら作:西田三郎
■10 「Groovy Love Child」
「……阿部先生とあたし、どっちがフェラうまいだろうね?」
高野くんは真っ青になって、目を見開いている。もっとイジワルをしてやりたくて、あたしは続けた。
「……ねえねえ、阿部先生には、高野くんから声をかけたの?……それとも高野くん 、阿部先生にムリヤリ犯されちゃったとか……?」
「………あ………」言葉が出てこない様子だ。
「最後までやっちゃってるの?……いつも、学校のどこでやらしいてるの?」
「………う………」
「あたしと関口がヤッてた教室、使ったことある?……高野くん、見たでしょ。あそこいいよ。誰も人来ないし。めちゃめちゃエロい気分になれるよ」
「……やめろ……」うつむいた高野くんが、しわがれた声でつぶやく。
「……いつもあの非常階段の下でやってるの?……いつもあんなふうにしゃぶられてるの?……阿部先生、やっぱりおっぱい大きい?……先生の身体、気持ちいい?」
「……もう……やめろ……」ふと、彼の下半身を見ると、コンドームに覆われたその部分はすっかり元にもどって、元気になっていた。
「……いやがってる感じだったけど……本当はけっこう、気持ちよかったんでしょ?」
「やめろ………」
「………ああ、ぼく、こんなブサイクなキモい女に、学校でこんなやらしいことされてるう……と思うと、すごくコーフンするでしょ?……あたしもそうだよ……そう思うと、どんどんあふれてきちゃう」
「やめろ!!」高野くんがあたしを睨んで声を荒げた。
「……あたしも……関口みたいな男にあそこを舐められると……空き教室とかで思いっきりしつこく舐められると、めちゃくちゃやらしい気分になって、すぐイっちゃう。……高野くんだってそうでしょ?」
「………ちっ………ちっくしょおおおおおおおお!!!!」
「きゃっ!」いきなり、高野くんがあたしをベッドに押し倒した。少しびっくりしたけど、あたしはすぐ気を取り直した。
顔に掛かっていた前髪をかきあげ、またイジワルに笑ってみせた。「……阿部にいたずらされてる高野くん……めちゃめちゃかわいかたったよ……」
「黙れ!!」
「ひゃっ」高野くんは強引にあたしの身体を裏返すと、お尻を持ち上げさせた。
あたしはベッドに顔を押し付けたまま……いつも関口にするように、肩越しに高野くんの顔を見た……すがるような目で。ちょっとだけ甘えたような目で。でも、口がよこしまなことを言うのは、止められなかった。「……いつも……阿部先生とはうしろからなの?」
「うるさい!!!」
「あうっ!!!」ずぶり、と突き刺された。
「はああっ…………」高野くんが、あたしのお尻をしっかりと握る。「……うっ……すごい」
「……あ、あ……あ、あたしも………す、すごい……」実際、すごかった。ものすごく固くて、熱かった。あそこの内壁が、ひりひりするくらい。意識するまでもなく、あそこが内側からきゅっ、と狭くなって、高野くんのちんこを締め付けた。ぎゅうう、といじめるように。何か、恨みでもあるかのように。身体の芯から、また新鮮な熱い液があふれてきた。
「………“ごめんなさい”って言え!!」高野くんが叫んだ。
「……やだ!!」あたしは顔を枕に押し付けて答えた。
「いうまで、突きまくってやる」
「あああうんっっ!!」高野くんがめちゃくちゃに、激しく動き始めた。あたしを感じさせようとか、そういう気はあまりないようで、あたしをボコボコに殴るかわりに突きまくってるような感じだった。でも、それを思うと……あたしに対する凶暴な欲情を思うと……ますますあそこが狭くなって、液があふれ出して来る。
あたしはしばらく枕をかんで声をガマンしてたけど、ここはラブホだし、学校の空き教室じゃないんだし、しかも相手は高野くんなんだし、あほらしくなって、やがて大きな声をあげて叫び始めた。高野くんの腰の動きにあわせて、自分の腰もふりたくった。高野くんがガンガン突いて来る。あたしが縦横無地に腰を振って、きつくしまったあそこで高野くんのアレをなぶりまわす。
ほんの30秒間くらいだったけど、死ぬほどよかった。
たぶん、あたしが50歳になったときも、この日のことを思い出してオナニーするだろうな、と思えるくらいに。
こんなことはもう一生、2度とないんじゃないだろうか、とまた思った。
少し悲しくなったけど、それもまた、あたしの頭の中でキモチヨサに変換される。
………。
終わってからしばらく、あたしたちはベッドの上で動けないでいた。
2人とも汗びっしょりだった。あたしのあそこはべちょべちょだった。高野くんは濃い精液でいっぱいになったコンドームを外す気力も無くして、大の字にベッドに寝ている。あたしはうつぶせのままだった。まだ、腰がひくっ、ひくっと痙攣していた。こんなことはめったにない。
しばらくは、お互いはあはあ言いながら、言葉を交わせなかった。「よかったよ………」ようやく一息ついて、あたしは言った。
言葉の後ろには、“関口センセイや、その他のお客さんたちよりずっと”という思いをこめて。
「なあ………おれたち………」高野くんがそう言いかけて、口をつぐむ。
“お互い似たもの同士だから、このままつきあわないか?”という言葉が、隠れているのがわかった。
「……それは……ムリでしょ」高野くんが言葉を続けないので、言った。
その言葉の後ろには、“だってあたしたち2人ともスケベで、快楽に弱いじゃん。あたしはあたしで関口とか、他の男とセックスするのがやめられないし、高野くんだって、阿部センセイから離れられないでしょ?”という言葉を隠した。
「………でも……やっぱり……」“おれたち中学生なんだし、もっとお互い健全な交際をしようよ”という言葉が、高野くんの声から読み取れた。
「……でも、ぜったいムリ」“なぜって、あたしたち2人とも、そういうのはぜんぜん向いてないから”という言葉を声に出した言葉の裏に隠した。
「……そうだな………」高野くんはそう言ったまま、黙り込む。言葉の裏には、何もなかった。
なんでこうなんだろう、とちょっと考えてみた。
なんであたしたちは、ふたりで、デートにいったり、校舎の裏でこっそりキスしたり、ときにはこうやってセックスしたり……そういうことが、ふつうにできないんだろう、と考えてみた。はっきりいってあたしは、関口のことを愛してるわけではぜんぜんないし、高野くんだって、阿部のことを本気で愛してるわけじゃないだろう。それに、関口だって、あたしのことを愛してるわけではない。阿部だって……多分だけど、高野くんのことを愛してはいないだろう。あたしも高野くんも、愛とかそういうのとは縁のない、ただれた大人のかわいいおもちゃに過ぎない。そして2人とも、そこから抜け出せないでいる。そしてあたしも高野くんもお互い、そのことを喜んで受け入れている。あたしたちは、何に飢えてるんだろうか?……何か、とても大切なものに飢えていて、そこを「悪い大人」たちにつけこまれているだけなんだろうか……?
いや、それは違う。あほらしい。そんなのは単なる責任転嫁だ。
今日のあたしは、ちょっとおかしい。
あたしは、半身を起こして、高野くんに言った。「……もう一回やる?」あたしはにっこりと笑った。「こんどは、あたしが上になったげる」
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