実在少女
もしクラスメイトが淫行教師に調教された変態M少女だったら

作:西田三郎




■8 「目られながら」



 1ヶ月ほど前だったろうか。
  その日、関口はなにか用事でもあったのか(そりゃあるよね。生徒とセックスしに学校に来てるわけじゃないんだから)、いつものようにあたしを、ねっとり、こってり、弄り回さなかった。いつもの空き教室にあたしを連れ込むと、教壇の前まで連れて行き、黒板側にではなく、その教室が使われていたころには、机が並んでいた方に向けて手をつかせて、お尻を突き出させた。
  黒板側に向かせないところが、いかにも関口らしくて変態っぽかった。

 「ほら、公開セックスだ」
 
  と、余裕のないなかで、もわざわざ変態っぽい、関口らしい台詞を口にする。
  あたしはというと、そのときはもうすでにコーフンでゾクゾクしてたけど、わざと恨めしげに眉をゆがめて、肩越しに関口を睨んでみせた。そんなふうなリアクションに、関口は弱いのだ。
 
  あたしは関口以外の男の、いろんな“ツボ”についてよく知っていた。
 
  あたしみたいな年頃の女の子は、どちらかといえば、セックスに対して積極的じゃないように見せるのがいいらしい。そのほうが、たいていの男はコーフンする。「えっ…」とか「そんな…」とか、なんか男たちが要求してくることに対して、ちょっと戸惑ってみせるほうが喜ばれるということは、経験でわかっていた。中には、思いっきりビッチなあたしの本性を開けっぴろげにしたほうが喜ぶ男もいるけど、それはなぜか気の弱そうな男に多い。たぶん、女子中学生とセックスしてる、という罪悪感がまぎれるからだろう。
  だったら女子中学生じゃなくて、年齢相応の女とセックスしたら…?とも思うけど。

  あれ……?……えっと、この話はしたっけ?

 しかしまあ、関口みたいな変態は、あたしと何度セックスしようが……それでもこんなふうに、みえみえの演技をすると喜ぶのだ。関口はいわば、ファンタジーの世界に生きている男なのだ。ロマンチストといっていいかもしれない。自分の教え子とセックスする、ハゲでデブで短足で、学校中の女子に意味もなく忌み嫌われているような、汚らしい独身男だけど、それでもロマンチストなのだ。笑えるでしょ。

  「……ほら、目の前に40人のクラスメイトが座ってる、って想像してごらん……」ハアハア言いながら、関口があたしのスカートを後ろからめくり上げる「……どうだい。恥ずかしいだろ」
  「やだ………」とか、言ってやる。
  「……これから天満は、クラスメイトの前で先生に犯されるんだよ……」
  「……やめてよ。変態
  「……恥ずかしいね。どうだい?」
  「やんっ!」

  するっ、とパンツが下ろされた。
  関口はパンツを足首まで下ろして、あたしのお尻にぶちゅーーーーー、とキスをした。
  演技じゃなくて、びくっ、とお尻を震わせてしまった。
 
  「足をあげて………」
  「………」
 
  素直に、片方ずつ足をあげて、関口がパンツを抜き取るのを助ける。
  しばらく、関口にむきだしのお尻を撫で回された……さっきも言ったけど、その日の関口のセックスは、あっさり目だった。あっさり目だけど、限られた時間であたしをなぶりまわすのが、関口という男だった。
 
  と、突然、関口はあたしの口に指を突っ込んで、こじ開けた。

  「うぐっ………」そのまま、たった今脱がされたパンツの丸めたのを、口の中に突っ込まれる。
  「……大きな声を出すなよ……」

 ……その日はレイプっぽいパターンだった。そーいうのも、あたしは嫌いではない。やっぱり、あたしも関口に負けず変態なのだろう。自分の年齢にしては、いろんな男たちの性癖について知りすぎていたし……正直、いろんなことを知るのが、楽しくて仕方がなかった。口の中にパンツを突っ込まれて、教壇に手をつかされて、バックから責められちゃうんだ……学校の空き教室で、変態先生に……それだけで、じんじんコーフンしてきた。後ろでごそごそズボンを降ろしたりコンドームの袋を破ったりする関口の気配を感じながら、あたしはできるだけこの状況を積極的に楽しむために、自分の中で気分を高めていった。
 
  誰だって、得意なこと、誰にも負けないことがひとつくらいある。
  走るのが速い子、絵を描くのが上手い子、英語の発音がきれいな子……あたしの特技は、そのときの状況に応じて瞬間的に、自分を最高にエロい気分に持っていけることだった。自慢できる特技じゃないかもしれないけど、これに関してはたぶん、全国レベルで誰にも負けない自信はあるし……将来的に考えれば、これはけっこう重要な特技なんじゃないか、と思っている。たとえば結婚生活とかで……いや、どうだかわからないけど。

 「んっ!!」

 いきなり、それ以上の前戯もなしに、関口のちんこが押し込まれてきた。
  びくん、と背中を弓なりに逸らせて……痛みとその物体の存在感を、全身でしっかりと味わう。

  「う、う、う………」苦しそうな声を出して、肩越しに関口を見た。すがるような目を作って。
  「力抜けよ。動くぞ」
  「うんんっ………」

 くたっ、と猫が伸びをするような姿勢になって、埃っぽい教壇の上で身体を伸ばし、お尻を突き出す。

  「このインラン娘め」満足そうに言い放って、ずん、と突く関口。
  「うんっっ!!!……

  関口は一旦奥まで届かせると、ゆっくり入口のあたりまで、先端を後退させた。
  こうされたときに、どう反応すればいいかは、あたしも知っている。

 「んん………」
 
  もじもじとお尻で、関口の先端を追っかければいいのだ。
  その反応に、関口はかなり気を良くしたのだろう。そこからは……めちゃくちゃに抜き差しをはじめた。

 まったくの無言だった。そこからは関口が苦しそうにうめく声、あたしがパンツを押し込まれた口から漏らす泣き声、そして、あたしのお尻と関口の腰がぺちぺちとぶつかり合う音だけが教室内に響き渡った。やがて、その音に水音が混じってくる。あたしがあふれさせた液が、跳ねる音だった。身体の芯が溶けていくみたいに、どんどんあふれてくる。これは演技や演出ではどうしようもないことだった。膝の裏あたりまでが、あっというまにびしょびしょになった。どうすんのよこれ、と思ったけど、そう思うとますます濡れてきた。ああ、ほんとに犯されてるみたい……と思うと、さらに濡れた。わたしは、心も頭も、身体も、そろってアホだ。

  と、そのときだった。
  ふと顔を上げると、教室の一番後ろの引き戸が、少しだけ開いているのが見えた。
  あれ、と思ったその後すぐ、そこから覗いている小さな顔が見える。

  大きく目を見開いた、きれいな男の子の顔だった。
  言わなくてもわかると思うけど、そこであたしたちを見ていたのは、もちろん高野くんだった。
  思わず、あたしが身体を緊張させる。

  すると後ろから、見られていることにぜんぜん気づいていない関口がこう言った。
  「おおうっ……すごく絞まってるぞ……天満」

 

 

 

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