無き世界に In a World Without Love
〜中国自動車道中1少女手錠放置死事件〜

第三章「ロスト・ハイウェイ」

妄想:西田三郎

■2005/01/26 (水) 愛無き世界に(第三章) 〜ロスト・ハイウェイ〜 10

「リアル・ペイン」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。8割7分くらいまでが妄想です。

 基本的に強姦の被害者は、恐怖し、ひどく緊張している状態であることがふつうですので、そうした女性と円滑に性交を成就させることは困難です。特にククケンのように極めて暴力的に振る舞うことにより、被害者を畏怖させ、行為を果たそうとする加害者の場合はそれはなおさらです。

 暴力的性交が物理的にも被害者の体を傷害するものであるのは皆さんもご存じのとおり。

 しかし問題は、ククケンのような暴力的な性犯罪者は、実際の性行為の成就よりもむしろ、被害者が恐怖し、その結果、屈服する様を見ることによって、性交によって得られる快感以上の満足を得ている場合が多い。被害者が怯え、恐怖し、泣き、拒絶しながらも、自らの強権によっていやいや屈服させられ、結果自らの言いなりになっている情景こそが…ククケンのようなサディスティックな性犯罪者がその犯罪に求めているものなのです。彼らにとって被害女性たちは、ただ単に自らの満足感を充足させるためだけに存在する存在であり、それらが苦痛はすなわち、そのまま加害者たちの亢奮に結びつきます
 
 ナナ子さんがククケンの求める行為にイヤそうな顔をすればするほど、ククケンの中に眠っていたダークネスがざわめき、さらに屈辱的に、さらにサディスティックに、ナナ子さんを貶めたくなるのです。実のところククケンは気弱で暴力沙汰は苦手な男でしたので、スプレーを降りかける以上の傷害をナナ子さんに加えることはありませんでした。ククケンには相手を拳固で殴ったり、足蹴にしたり、焼けたペンチで乳首を摘んだりといった致死的なサディズムはありませんでしたが、“人を…特に自分を貶め、バカにしてきた、教え子達と同じくらいの年齢の女子たちを、自分の思い通りにさせる”ということこそが、彼をひたすら萌えさせたのですね

 ククケンにとってナナ子さんへの狼藉はまさに、彼の中だけにおける“復讐”に近い意味を持っており、ナナ子さんはその狂った妄想の哀れな被害者でした。

 <つづく>


■2005/01/27 (木) 愛無き世界に(第三章) 〜ロスト・ハイウェイ〜 11

「逃走のこころみ」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。8割7分くらいまでが妄想です。

数時間にも及ぶ陵辱の末、ククケンは大いに満足していました。

その間、ずっと帽子を被り、サングラスをしたままです。

もはや放心状態のナナ子さんは抵抗することも拒絶することもできず、人形のようにぐったりベッドの上に横たわっていました。ククケンはその様子を見やり、大満足すると同時に、さらなる劣情に借りたてられます。…しかし男34歳、それになりに体力を消耗しましたので、一休みしてからさらに可愛がってやるぜええええええと決意も新たに、ナナ子さんの手首に手錠を再び掛け、その片方の輪を金属製テーブルに固定したのですね。
 「もう許して…お願いやし」ボロ雑巾のようになったナナ子さんが涙ながらに懇願するのも空しく、
 「まだや。大人しゅうしとれや。今日は帰られへんぞ。朝まで可愛がったるさかいな」と言い放つククケン。
 その言葉を聞いたナナ子さんの顔が絶望でますます青ざめるのを観て、ククケンは欲情も新たに、つぎはどのやうに彼女をイジクってやろうかとあれこれ思案しているうちに、そのままベッドで眠り込んでしまいました。
 
 …さて、高いびきをかきはじめたククケンの真横に戒められたナナ子さんは、ようやく落ち着きを取り戻し、何とかこの最悪の事態から逃れる術はないかあれこれと考えはじめました。この調子で朝まで弄ばれ続けるなんて冗談じゃありません。

 ナナ子さんの手首に填められた手錠は金属製の本物で、チャチな玩具ではないようです。恐らく男が持っているのであろうを使わないと、これを破損して手首の戒めを解くことは不可能なようです。
 
 …しかし…ナナ子さんはいいことに気づきました。
 手錠というのはつまり人間の手首のくびれを固定するものであるが故に…手のひら部分を手首の細さまでに窄めることが出来れば…手錠の輪から手を抜くことは可能なのですね。

 <つづく>


■2005/01/28 (金) 愛無き世界に(第三章) 〜ロスト・ハイウェイ〜 12

「もう一回スプレーかけてほしいんか」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。9割8分くらいまでが妄想です。

 “…よいしょ…よいしょ……あとちょっと……もう少し………ガンバレあたし!!”

 戦争も飢餓もないこの平和な社会では、なかなか人は自らの安全を守るために必死のパッチになる機会を得ることはありません。名目上、法治社会は、法律により我々の行動の自由をかなりの範囲で制限する反面、我々を無法行為から保護してもいます。その中で暮らす我々が自由の制限に息苦しさを感じながらも、それに従わざるを得ないのはその所為です。
 
 しかし、誰もがどんな状況においてもその社会法治に保護されている訳ではありません。連日、新聞に載る暴力犯罪の被害者の皆さん、そして載ることのない潜在的被害者の皆さん…彼らは不幸にして、この法治社会に暮らしながら、法治を無視する非道の輩の餌食となった人々です。
 
 ナナ子さんは出来る限り掌をすぼめて…親指と小指をくっつけて、その間の3本の指の関節が許す限りに狭く狭めることによって…なんとか掌の太さを辛うじて手首の太さまでに収縮させることに成功し、ついに手錠を自らの手首から抜くことに成功しました。
 
 ククケンは今も寝息を立てて眠っています。チャンスは今しかない。
 
 ナナ子さんはククケンに剥ぎ散らかされた衣服を拾い集め、お財布や携帯やお化粧道具などが入った自分の黒色ナイロンポーチに手を伸ばしました…。
 
 と、その時、ククケンがだしぬけに目を覚ましたのです。
 
…あっ!何しとんねん、自分!!ククケンはナナ子さんを固定していた手錠を見るなり、叫びました……こら!クソガキ!手錠抜いたんか?!手錠抜いたんやな!?
 「……あ………あ………」ナナ子さんはほんとうにチビりそうになってしまいました。
もう一回スプレーかけてほしいんか!!ええ?!」
 ナナ子さんは火がついたように泣き叫びはじめました。
 

<つづく>




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