無き世界に In a World Without Love
〜中国自動車道中1少女手錠放置死事件〜

第三章「ロスト・ハイウェイ」

妄想:西田三郎

■2005/04/05 (火) 愛無き世界に(第三章) 〜ロスト・ハイウェイ〜 41

「黙りこくる少女たち-7」


※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。9割8分くらいまでが妄想です。

「(引用)『うちらは被害者なんやから、うちらのことは関係ないんや!』という伸夫(宮氏ルポ中テル夫さんの仮名)さんの論理は一理ある。しかし今回の事件では、伸夫さんは『被害者の親』だといっても、『被害者を追い込んだ親』という一面も併せ持っている。そのことへの贖罪に似た気持ちを一片も持ち合わせていないところが、やはり偏りのある親だと見られてしまっても仕方なかろう」  

 ここにきて、テル夫さんにはノノ子たんを死に追いやったことへの責任を全く感じていないばかりか、すぐばれそうなウソをついて誤魔化そうとしています。
 
 確かに、中尾氏のルポ「修羅の家」に書かれていたことすべてが、事実であったかどうかは疑問の残るところです。

 しかし宮氏の取材により、「修羅の家」呼ばわりされたことへのリベンジのチャンスを与えられていながら、テル夫さんがそれを全く活かすことができなかったこともまた事実です。 最後に一発、テル夫さん節が炸裂。

「(引用)私が『お邪魔しました』という背に『家庭のことを書いたらアカンで。変なこと書いたら、オレは東京に行って警察沙汰になることをしてもええんで!』と脅された」

 しかし、その直後、

「(引用)『ワシも淋しかったから、アンタに聞いてもらいたかったんよ。今日は……』と帰り際に弱々しいところを見せた」

そうで、ますますもってこの親父のキャラは掴みきれません

<つづく>


■2005/04/06 (水) 愛無き世界に(第三章) 〜ロスト・ハイウェイ〜 42

「黙りこくる少女たち-8」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。9割8分くらいまでが妄想です。

 宮氏のルポによると、テル夫さんはこの事件に関して書かれた新聞や雑誌はすべて買い、チェックを怠らないといいます。事件のことが……とりわけ、自分のことがどう書かれているかが気になる様子だというのは宮氏の弁。

 訳がわかりません。

 一体、この親父は何者なのでしょうか。

 
 中尾氏のルポにあるような、アル中の鬼畜なのか。

 それとも宮氏のルポに見られるような、口達者な小心者なのか。

 おそらく、その両方なのでしょう。

 人間にはいろんな側面があります……ソフトボール部に所属し、料理や裁縫が得意で、弟や妹に優しかった12歳の活発な少女が、援助交際にハマっていたり……もしくは独自の教育論と理想に燃える熱血教師だった男が、少女の手首に手錠を掛けて陵辱するような性的倒錯者だったり。

 ところで、テル夫さん。ひょっとしてこの日記を読まれていますか?

 わたしが昨年秋、東淀川は瑞光の公団を訪れた時には……公団の住民表示に土家家の表示はもうありませんでした。もし万が一、億地が一この日記を読まれているなら、貴方に聞きたいことがあります。わたしは素人で、ルポライターでも何でもありませんが、どうしても本当の貴方がどんな人なのか、知りたいのです。そして、是非とも聞きたいのです。

 貴方にとってノノ子たんは、何だったのですか?
 
<つづく>



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