わるいおまわりさん
作:西田三郎
「第6話」 ■さらにこらしめられて
ええっと……その時点でのあたしがどんな格好だったかというと、ブラウスと、ブラジャーをむしられておっぱいは丸出し。スカートは足首まで踏み下ろされていた。
それも乱暴にむしられたので……もう多分ちゃんと履くことはできない。あたしは薄いグレーのパンツと、靴下と、ローファーだけというとっても情けない格好にされていた。
しかも口の中には丸めたブラウスをねじ込まれている。
またもぶたれた反対の頬の痛みは感じたけれども、こんな場所でこんな格好にされてしまった情けなさのほうがずっと勝っていた。あたしはここに来て、ほんとうに泣きそうになった……ああもう、一体、どういうことよ?……でもやはり、泣かなかった。
「……ほうれ、いい格好になったなあ……」
「むぐ……むぐ、んぐ……」念入りに押し込まれたブラウスのせいで、あたしはほとんど窒息しそうだった。「もが……もが……」
「……どうだ?こんなふうにあいつにも、乱暴に剥かれたのか?……そうだろ?あいつのこったから……乱暴におまえを剥いたんだろーなあ……で、お前はそれで、喜んだんだろーが?ええ?……そうか……お前は乱暴なのが好きだったんか……いままで優しくしてた俺がバカだったよ」
たぶん三島は、そのときかーなり……自分の言葉に興奮してたんだろうね。
三島はもともとそんな奴だった。アレの時だって……“濡れてるじゃん”とか“もうこんなになってんじゃん”とか“こんのどう?……ねえ、気持ちいい?”とか、なんやらかんやら、うるさいことこの上ない。かなりウザいなあ……と前から思ってたけど、あたしはそれを彼に言うことはなかった。
なぜなら、あたしはそれまで……三島以外の前例を知らなかったからだ。「……ほうれ……」
「うんっ」三島があたしの左のおっぱいを掴んで、上にひねり上げる。これまでにない痛みがあたしの躰に走った。まるでおっぱいを引きちぎろうとしているみたいで……あたしは本当におっぱいを引きちぎられるんじゃないかと思って心底怖くなった。
でもそれだけではなかった。「……これも邪魔だ!!」
「うっ……んっ……げほっ」
あたしはなんとか口の中のブラウスを吐き出した。
三島があたしのパンツに乱暴に手を掛け、強引に引っ張ったのだ。
「い、いや……お願い……お願いだから……これだけは破んないで……」
「なんでだよ?……はああん……さてはこのパンツ、あいつのお気に入りなんだな?……そうだろ?あいつにこのパンツ、何回下ろさせたんだよ?」
もう三島の妄想は止まるところを知らなかったが、まあ好きに妄想するぶんには彼の勝手だ。とにかく……パンツまで破られたら……どうなるのだ。あたしはこの場から……どうやって帰ればいいんだ?「いやあっ……やめてったら!!」
もちろん三島は聞く耳を持たなかった。あたしのパンツをアホみたいな力でぎりぎりと引っ張り、パンツはあたしのお尻にとんでもない痛みを伴って食い込む。その後、三島は信じられない行動に出た。
何と、ポケットからカッターナイフを取り出したのだ。
「ひっ……」さすがにあたしも一気に引いた。
「どうだ……ええ?こういうのも……?あいつもさすがにここまではしなかったろ……ええ?……ほうれ……」
「ひっ……やっ……」三島がカッターの歯を出し、その冷たい刃先をあたしの腰に押し当てたのだ。「……お、お願い……そんなの……そんなのあんまりだよ……酷いよ……」
「大人しくしてりゃあケガはさせねーよ……お前もケガはしたくねーだろうが?」ああもう、なんなのこの人。
これじゃあまるで本物のレイプさんじゃない。
いや、まあ彼は今、精一杯それらしく振舞ってるんだろう。たぶん、こんなことがずっとしたかったんだろうね。だから今日のデートにも……こんなカッターナイフみたいなのを予め用意してたんだろう。何であたしのブラウスやブラジャーやスカートを剥ぎ取るときにそれを使わなかったかって?……さあ、それは知らない。多分、カッターナイフを用意してたことを忘れてたんじゃないかなあ……とにかく、あたしは今日、“レイプ魔モード”に入ってる三島にとって、“どんなにボロボロにしても問題ない女”なんだ……そう考えると、怖くなったと同時に……なんだか悲しくなった。「……い……や……」
極限までひっぱたあたしのパンツの布地に、三島がカッターの歯を当てる。
拍子抜けするくらいに布が弾けて、左の腰あたりの締め付けが解放される。次は右の腰に刃が当たり、あっという間にあたしのパンツは靴磨きにも使用できないようなボロ切れになってしまった。
「なんだこりゃあ……」三島がぼろぼろになったパンツを広げて、誇らしげに捧げる。「もうぐっちょり湿ってるじゃねーか……え?おい」
ああもう、勝手にしてよ。君とはやっとれんわ。
あたしは思ったが、さすがにそれを口にすることはなかった。
「さあて……」そう言った直後、三島が覆いかぶさってきた。
「あっ……やっ……待って……いやあ……」
三島が左手であたしの右ひざの裏に手を差し入れ、乱暴に上に持ち上げた。
三島が何をするつもりなのかはだいたい想像がついた。
「ほれ、ここはどないなっとるんじゃいこのエロガキ」
なぜか三島は関西弁で言った。
その直後、三島の右手があたしのあそこに触れる。
「んっ……」
「なんじゃこりゃ……もうべちょべちょやないけ!!」何故か三島はまた関西弁だ。
「やだっ………やだったら……………あっ!!」
一気に三島の中指か人差し指が、あたしの中に入ってきた。
めちゃくちゃ痛かった。そんなに濡れてもないのに、三島の頭の中ではそこはもう“べちょべちょやないけ”状態になっているんだろう。三島はぐいぐいと乱暴に指を出し入れしはじめた……そのたびに、あたしの中の肉が捲くられたり、巻き込まれたりして……そのたびにあたしの背骨に激痛が走った。
「いた、いた、痛い、ほんと、ちょっと……マジ痛いって……あっ……お願い…」
「……じきに良くなるって………ほれ、こうしたら……」
「ひいっ」
次に三島は親指を使って……その、あのクリトリスの包皮を、ぐいっと押し上げた。いきなりそこに触れられて、あたしは飛び上がるかと思った。
泣きたくなったけど、涙はまだ出てこなかった。「ようし……ちょっと待ってろ」
「んっ……」
そう言って三島はあたしのあそこから指を引き抜くと、あたしの目の前で親指と人差し指を銜えて、べっとりとそれに自らの涎をまぶした。三島は濡れ光った自分の指を見せて、ニヤニヤ笑っている。その顔のあんまりの醜さに、あたしは胸がムカついて思わず顔を背けた。「あうっ……」
涎で湿らせた指を、三島がまた乱暴に挿入してくる。
おかげさまでさっきよりは痛くなかった。滑りも幾分ましだった。
三島は容赦なく、ものすごい速度で指を出し入れしながら、あたしのクリトリスを親指で擦り続けた。痛みはましになった……さっきよりは少しくらいだったけど。「んっ……くっ………はっ………んんんっ………」
あたしは三島にしがみ付いていた。
「……ほら、だんだん、だんだん出てきたぞ……ほれ、わかるか?音が聞こえるかあ?」
確かにくちょくちょと音がしている……もうほんと、動物かなんかになった気分だった。ああもう、やっぱり濡れてきたよ。……どーなってんの?あたし?
「……ほれ、潮吹いてみろよ……ほれ、吹けるだろーが?ええ?吹いてみろよ!」
ああもう、こいつ本物のバカだわ。「……アホ、ボケ……変態……」あたしは歯をくいしばりながら言った「……え、え、エロビデオでも観て………こ、コイてたらあ……?」
「何だって?」三島が指を激しく動かしながら言う。
「……エロビデオでも見て抜いてろ!!!」あたしは言った。「てめーにはそれがはお似合いだよ!!!」
その直後……やっぱり横っ面を張られた。
<つづく>
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