確かにシークァーサーの味がした

作:西田三郎
「第5話」

■フェラチオ。セックス。夕焼け。

 りみの衣類……ぐしょぐしょに濡れたパンツとブラジャーを含む……が平行に並べられた岩に腰掛けながら、おれは自分の脚の間で彼女がちんこをしゃぶるのを見ていた。

  りみはそのきめ細かい肌に包まれた尻を、同じくきめ細かい砂に沈めて、恐ろしく丁寧なフェラチオを続けている。まったく、なんてことだ。上手すぎるじゃないか。けしからん。

 「……長持ちするほう?」りみがちんこから口を離して顔を上げる。「お口じゃなかなかイけないほう?……えっと、ホリエさん。だったら助かるんだけど」
  「……な……」おれはくぐもった声を出した「なんで?」
  「いや、あんまり早くイかれるとさ、パンツとブラジャー、乾かないじゃん
  「換え持ってこなかったのかよ?」
  「ないことはないけどさ、こっちで買うのももったいないでしょ」
  「……買ってやるよ、それくらい」
  「……ってことは、早くイっちゃうほう?」りみが口の端を歪めながら……すでに抜けるような沖縄の午後の青空向けてまっすぐに立ち上がっていた陰茎を、ゆっくり扱く。「……買ってくれるわけ?……パンツ、あたしに」
  「……ちょっ……ちょっと待て……もうちょっとゆっくり……」
 
  そう言うとりみは必要以上にその動きを散漫に緩めた。

 「……アレでしょ。なーんかスケてるやつとかさ、紐パンとかさ、Tバックとかさ、アナ開いてるやつとかさ……そーいうの、あたしに履かせるつもりなんでしょ?ホリエさん……や、ら、しーーー……ってかオッサンそのもの」
  「そっ……そんなの」言いながらおれは自分で腰を動かしていた。恥ずかしながら前後に。「……そんなの、どこで売ってるか知らないよ。おれ、沖縄はじめてだし」
  「ふつうの下着買ってよ。そんなとこで凝らなくていいからさ

 そう言うなり、りみはまたおれの亀頭をかぷっ、と銜えると……そのあたかも行水直後の小学生児童を思わせる幼い見てくれを鑑みれば鑑みるほど、はしたない舌使いでおれを攻め立てた。
  ああもうダメだ。

 「えっ……」
 
  おれは立ち上がると、りみの両脇に手を入れて引っ張り挙げた。

 そのままキスでもしてやろうと顔を近づける。

 「ちょっと……だめだって、キスは」
  「だまれこの売女
  「売女はふつうキスはさせねーって」そう言ってりみがおれの顔を押しのける。半笑いで。「……いい歳してそんなことも知らないわけえ?……ホリエさん」
  「じゃあけつを突き出せこの売女
  「あんっ」

 おれはりみの躰をくるりと裏返して、自分が腰掛けていたあたり……りみの衣服が平行に並ぶあたりに、手をつかせた。そのまま両手をりみの細い腰に掛け、ぐいっと引き寄せる。

  きめ細かな砂にまぶされたその小さな固い尻は……先ほどから存分に目で堪能させていただいた尻だ……値段だけ貼るがボリューム感の乏しいあの高級店のお菓子を思わせた。
  ええっと……何ていったっけ、あのお菓子の名前。
  その菓子の名前も確か、あの社長がブログに書いていたが、今は確認する術がない。

 「砂、ちゃんと払ってよ。ってか……ちょっと海水で流してよ。入るとイタいから」
  「そ、そうだな

 おれは大人しく岩に手を突いて尻を突き出しているりみを残して、波打ち際まで歩いていった。そして……海水を掌にひとすくいすくいあげる。
  いや、沖縄の海は確かにきれいだが、手にすくいあげた水すらこんなに綺麗だとは。
  水は思ったより暖かで、さらさらとしていた。
  そのままりみのところに戻っていって、尻に海水をかけて砂を落とす。

 「んっ……」りみの尻が、ぴくん、と跳ねた。
  「ほうれ……こうするとどうなるかなああ?」

 おれは海水に濡れた手で、りみの高い尻を撫で回した。確かに……固くて芯のある尻だったが……思っていたより、その手触りは柔らかだった。

  誰と比較してか?

  ……いや、こんな小さな尻には触ったことがない。妻はかなり肉感的なほうなので、それはそれでおれは喜んで揉みまわしたものだが……この青い空の下、白い砂の上、真っ青な海の前では……出来ればこういう控えめな尻を揉みまわしたいものだ。
 
  「……あっ……んっ………」
  おれはそのまま、りみの尻の間に指を差し入れ、その奥の肉に触れた。
  思ったとおりだ、この淫売め。もうしっかり濡らしてやがる。
  「おお」おれは思わず感嘆の声を漏らしていた。
  「……んんっ……くっ……」りみが背中を逸らせる……肩甲骨の間に、くっきりと窪みができる。「……ってか、しみるよ。ホリエ」
  「……そんなこと言って」
  「“もうべちょべちょじゃねえか”とか?」りみが薄く嗤って肩越しにおれを見る。しかし……その頬には少し血の気が戻っていた「……“こんなにぐちょぐちょにしやがって”とか?……いろいろ言おうとしてんでしょ、ホリエ。ほれほれ、確かに濡れてるよ。うれしい?………あっ……くうっ……」

 この口の減らないすけべの小娘め。
  大人の恐ろしさをおれの指マンで教え込んでやる。


  おれは一気に中指をりみの一番奥まで押し込むと、激しく出し入れを始めた。くちょくちょと……なかなか悪くない音がした。おれはかなり気をよくして、もう片方の手を前に回して……前で肉が合わさっているほうのあたりにあると思しき突起を探った。

 「あっ……ちょっと……ちょっと待って……それ、ダメ。それ反則だって……ああっ………んっ………いや………んっ……し、しみる、しみるってば」

 りみが腰を揺すって逃れようとするが……許すわけねえだろ、このこわっぱの淫売が。
  おれはしっかりとその突起を捉え……指で小刻みな振動を銜え始めた。
  当然もう片方の手は律儀に出し入れを続けたままでだ。

 「……あっ……あっ………んっ………くっ………」

 りみが岩に顔を埋める。自分の指先でも噛んでるのだろうか。声を出さなくなった。

 「……ほうれ、りみちゃん。どうかな。ホリエさんの指攻めは……さっきまでの威勢はどこ行ったのかなあ?……ほれ。イきたくなったらイっちゃっていいんだよ」
  「………ってか」りみが恨めしげにおれを見る。「……とっとと死ねよ、クソジジイ
  「本当に悪い子だなあ……りみちゃんは。こっちが欲しくて、そんな憎まれ口を叩くのかなあ?」
  「……ああもう、やだなあオヤジって……んっ!!!」

 自分でも記録的な素早さでおれはりみの脚を開かせ、陰茎を奥まで一気に押し込んだ。 
  なんとまあ……これは……ちょっと待て。なんであんなにすんなり入ったってのに……いきなりこんなに締め付けてくんだ。

 「……く、くそ」おれは思わず毒づいた。
  「……どうかね〜ホリエさん」またりみが肩越しにおれを見る。「このまま絞め殺したげよっか?」

  いや、負けるか。りみの声は確かに上擦っていた。
  おれは激しくりみの小さな尻に打ちつけ始めた。そのままりみの細い躰を……彼女が手をついている岩に打ち込んでしまわんばかりに。
  「ああっ……やんっ……んっ………………くっ……くうっ………」
  またりみが上半身を倒して、自分の指を噛もうとする。

 そうはさせるものか。

  おれはりみの顔まで手を伸ばすと、りみが噛んでいた手を掴み……そのまま後に引っ張った。これで声を堪えることもできまい。さんざんよがり声を上げるがいいわこの小娘が。さあて……さっきまでさんざん憎まれ口を叩いていたその口が、どんな情けない、しおらしい泣き声を聞かせてくれるのかな?

  ……どうも旅先というものは、人を天井知らずに調子に乗せてしまうものらしい。

 「……ほれ、ほれ、りみちゃん……泣いてごらん。泣いてホリエさんに許しを乞うてごらん……どうかね。ホリエさんのち、ちんこは………こ、こ、こんな、こんなに、……し、し締め付けちゃって……うっ……う……」
  「って……て、てか」りみが紅潮した横顔で言う「……ん……あっ……ゆ…………指のほうが………よかった

 半秒後、おれはマッハの速さでりみの躰から引き抜くと、その足元の白い砂にを狙って射精したが……思いのほか勢いがあったせいで、ザーメンのつぶては岩の上のりみのパンツを直撃した。

 「ええっ!!……さいてえ!!」りみが言った。

 

 

<つづく>




 
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