今晩中にできる女 作:西田三郎

■今晩中にできる女


 

 バタやんはベッドに尻餅をついて、呆然としている。さっきまであんなに元気だったアレは、すっかりしおれて、ぐったりしていた。
 あたしがバタやんの出した大量の精液にむせていると、倉本さんがハンカチを取りだした。あたしにハンカチを貸してくれるのかと思ったら、違った
 「ちょっと面白いことしてみようか」
 そういって倉本さんは、ハンカチであたしに目隠しをした。
 「え…あの、こんな…」あたしはちょっとびっくりした。
 「こんなのしたことある?敬子ちゃん?」言いながら倉本さんはハンカチをあたしの頭の裏でしっかり締める。「けっこう、いいよ。とくに、こんな風に相手が二人だと
 「…でも…なんか…きゃっ!
 あたしはベッドに仰向けに転がされた。
 何も見えない。二人がベッドから降りる気配がする。
 しばらく、何もされなかった。部屋がシーンとしていて、よく耳を澄ますと、二人の息づかいが聞こえた。あたしを見ている視線も感じた。さっき素っ裸にされたときよりももっと、恥ずかしかった。確かに、目隠しをされていると、ふつうよりドキドキするみたいだ。
 「はっ…」
 いっきに、2本の舌があたしの肌に吸い付いてきた。一本はお腹に、もう一本は太股に。どっちの舌も涎を塗りたくるみたいに、めちゃくちゃに這い回った。なんとかベッドの上を逃げ回ろうとしたけど、2本の舌はどこまでも追ってきた。脇腹、脇の下、二の腕、首筋、おへそ、脚の付け根…どっちがどこを舐めているのかもわからない。次にどこを舐められるのかもわからない。あたしは馬鹿みたいに感じて、大きな声を出して、ベッドの上でのたうち回った。舐められないところはなかった。二人は、双子の赤ちゃんみたいにそれぞれあたしの両乳首に吸い付いて、舌で転がし、噛み、吸い上げた。そのころにはあたしは喘ぎ声じゃなくて、もう泣き声を上げていた。
 どうしようもなく濡れているのが判った。
 太股の内側がべとべとになっているのが判ったけど、それが二人の涎で濡れているのか、あたしが出したもので濡れているのかはもう判らなかった。
 「…あっ…んんっ……あああっ…んん…あああっ…や…いやっ…」
 「どう、スゴイ?」倉本さんの声がした。
 「…ん…す…すごい…」あたしは言った。
 「…もっとしてほしい?」今度は、バタやんの声がした。
 「…んん…も…もう…もう……許して」あたしは泣きながら言った。「…お願い…」
 二人の舌が、突然離れた。
 あたしはまた裏がえされて、お尻を持ち上げられた。あたしは肩で息をしながら、次の動きを待った。
 「ほら、これ、どっちでしょう?」倉本さんが言った。
 「ふんっ!!」
 いきなり、後ろから入ってきた。
 あたしは思わずのけ反って、顔を上げた。
 と、頭を掴まれて、今度は口に別のが入ってきた。
 「んんっ…くはっ…!」
 どっちが前で、どっちが後ろなのかわからなかった。後ろに入った方が動き始めた。すごくきつい。あたしは腰を使っていた。あわせて、舌も使っていた。後ろから入れた誰かは、もの凄い早さで突いてきた。粘液の音がして、お尻が肉とぶつかっていい音がした。口に入ったほうもまた、はげしく前後に動いた。何回も喉の奥をつかれて、むせそうなったけど、あたしはすごく気分が出ていたのと、後ろから突かれるのが気持ちいいのとで、舌と、頭を使って口の中のものをさらに大きくした。そこから先はめちゃくちゃだった。
 二人とも、なかなかいかななかった。
 そのまましばらく、あたしは4つんばいの格好のまま、前と後ろから責められてたけど、あたしがいきそうになると、二人はそれを見計らって交代した。
 今度はあぐらをかいたどっちかの膝の上に座らされるような格好で入れられた。柔らかいお腹の感触を背中に感じたので、多分それはバタやんのほうだろう。
 バタやんは自分の膝をあたしの膝の内側に入れると、思いっきり左右に開いた。
 「やっ…恥ずか…し…むぐっ…」
 また口の中にモノが入ってきた。後ろにバタやんが居るということは、前に居るのは倉本さんなんだろう。あたしは条件反射で舌を使い始めた。バタやんはしたからあたしを突き上げながら、右手であたしのおっぱいを揉み、左手を大きく開いたあたしの股の間に入れて、クリトリスをいじった。
 気が遠くなるくらい気持ちよかった。
 あたしはバタやんのものを締め上げた。
 舌もめちゃくちゃに使った。口の中で出された。
 でもまだ終わりじゃなくて、またいきそうになると別の体位で責められた。
 あたしは気を失いそうになったけど、ずっと大きな声で喘ぎ、鳴き続けた。
 そんな風に意地悪をされながら、あたしは結局その晩、4回もいった。
 
 
 
 

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