今晩中にできる女 作:西田三郎 ■朝ご飯
結局朝方までそんなことをしえいて、終わった時にはもう3人ともお風呂に入る気力もなく、そのままチェックアウトの時間まで川の字になって寝た。
翌朝目を覚まし、あたしたち3人は家族みたいに洗面所で並んで歯を磨いて、服を着た。
ホテルを出るとき、また若いカップルとロビーで一緒になった。そのカップルもあたしたちが3人なのを見て、ちょっとぎょっとした後、目を逸らせて慌てて出ていった。
ちょっと恥ずかしかったけど、まあ気持ちよかったんでいいか、と思った。
それに、あのカップルの女の子のほうだって、昨日の晩、あの彼氏とあたしみたいにいやらしいことをしていたんだろうし。それに、あたしほどあの子も気持ちいい思いはできなかったろうと思うと、へんな話だけどなんか勝ったような気がした。
ホテルを出るといいお天気で気分がよくなった。
とても充実していい気分だった。とてもお腹が空いていること気づいた。
倉本さんの提案で、あたしたち3人はホテル街を出てすぐのマクドナルドに入った。3人とも朝のセットを頼んだ。あたしはホットケーキがついているやつをにした。
「どう、昨日、楽しかった?」倉本さんが疲れた声で聞いた。
「うん」とあたしは答えた。バタやんはよっぽど疲れているのか、あまり喋らなかった。
朝ご飯を食べて、3人で大通りに出た。バタやんがあたしにタクシー代として、5000円をくれた。バタやんと倉本さんは、同じタクシーに乗り込んだ。
「またね。電話するよ」倉本さんが言った。バタやんは、何も言わなかった。
タクシーが行ってしまい、あたしはそれに手を振った。
さて、「空車」の表示を出ているタクシーをつかまえないといけない。
あたしは通りの遠くに目をこらせた。
そういえば、今晩のバイトは遅番だ。帰ったら、少し寝なければ。(了)
2004.1.25
感想などありましたらお気軽にどうぞ。読んで本気汁出します(笑)
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