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童貞スーサイズ
第三章 「
(ディス・イズ・ノット・ア)ラヴ・ソング



■第23話 ■ 彼女が僕を噛んだ
 そこから先のことは、どこまでが現実だったのか、どこからが薬物の作用からくる陶酔が見せた夢なのか、芳雄にもよくわからない。
 
 とにかく、部屋には大勢の人間が入ってきた。
 目隠しをしていたので、その人数を推し量ることはできないが……気がつけば自分とドウ子が横たわるベッドを、無数のが取り囲んでいた。
 まるで部屋の四隅の壁が突然ベッドに迫ってきたようだ。
 しかも、その壁は不気味に蠢き、呼吸している。
 数知れぬ人間の肉の壁が吐く息は、異様に熱を帯び、腐臭を孕んでいた。
 
 誰一人として、一言も口を効かない。
 視界を妨げられている分だけ、芳雄は自分を取り巻いている者達の気配を、耳で、鼻で、そして肌で感じていた。
 肌が感じ取るのは彼らの視線だ……見られている……視線がこれほどまでに皮膚感覚に影響を与えるものであるとは。
 ひょっとすると、それは酒で流し込んだあの錠剤がもたらした錯覚かも知れない。
 
 時折、わざとらしい咳払いが聞こえた。
 神経質に足を絨毯に擦り付ける音がする。
 遠いところで凝り固まった関節が、ぐきり、と音を立てる。
 何か、途方もないことが始まるのは明らかだった。
 しかし、感じるべきはずの恐怖は浮かんでこない……いったい何の薬を飲まされたのかわからないが、その効果は認めざるを得ない。
 
 恐怖はすべて根拠のない興奮に変換され、不安は後ろ暗い期待に書き換えられる。
 
 何が起きるのかわからない……その結果、どこまで行ってしまうんだろう、という無責任な期待が、芳雄の中で膨らんでいく。
 
 不意に、いくつもの手が伸びてきた。
「えっ……」
 戸惑う間もなく、芳雄の両腕と両脚が何本もの手に抑えられ、ベッドに押しつけられる。
「きゃっ……」
 ドウ子の、妙に可愛いい小さな悲鳴も聞こえた。
 恐らく彼女も同じ目に遭っているのだろう。
 
 無数の手は、まるで一個の意思によって統制されて動いているように、服の上から芳雄の身体をまさぐった。
 ブラウスの上から乳首を探り当てられる。
 袖口から侵入した指は腋の下をくすぐる。
 ブラウスの裾は鳩尾あたりまでたくし上げられる。
 脇腹にも臍にも、湿った熱い指が擦りつけられる。
 それよりも集中的に攻撃を加えられたのは脚だった。
 その手の群はよほど芳雄の細長い脚を気に入ったらしい。
 脚の指といい臑といい脹ら脛といい、膝の裏といい、一体2本の脚にどれだけの手が群がっているのかわからない。
 当然、スカートの中にも手は侵入してくる……内股を撫でられ、脚の付け根を指でなぞられる。
 
「んっ……」
 
 芳雄は何とか口から漏れそうになる声を必死で堪えた。

 芳雄は奇妙な決心をしていた。
 ドウ子も同じ目に遭っているのであれば……何としてもドウ子より先に声を上げないようにしよう。
 全く意味のない決死だったが、思考力が劣化したこの状態の中でも、妙にその決意だけは固かった。
 
 手たちが引きむしるように芳雄の衣服を剥ぎ始めた時も……芳雄は何とか悲鳴を堪えた。
 
 耳を澄ませば、ドウ子も同じように服を剥がれているようだった。
 シーツと布が擦れる音がして、時折、「むっ……」とか「んっ……」とか短い声が聞こえてくる。
 ドウ子もやはり、芳雄が先に甘い声を漏らすのを待っているのだろうか?
 
 同じ薬を飲んで、同じ酒を飲み、先ほどはベッドの上で二人、わずかな間、絡み合った。
 不思議な気分だったが……芳雄はどこか心の深いところで、ドウ子と 通じ合っているような気がする。
 あまりにも現実から乖離した二人の意思はベッドの上60センチあたりを煙のように漂い、混ざり合っているようだ。
 今、芳雄はドウ子であり、ドウ子は芳雄なのだ。
 そう思うと、ますます不安は薄れていった。
 気がつけば芳雄は全裸に剥かれ、ベッドに転がされていた。
 
 一体何人の目が自分の裸身に集中しているのだろうか、と考えると、芳雄の下半身は思わず熱くなった。
 そして数の掴めぬギャラリーたちの見守る中……自分の性器が固く、ゆっくり立ち上がっていく。
 さすがに羞恥を感じ、腰をよじろうとしたが、何本もの手が芳雄の両腕、両脚をがっちりとベッドに押さえつけているので、それも敵わない。
 性器はみるみる固くなり、その先端が臍の真下あたりにぴったりとくっつくのを感じた。

 ああ、もう、どうにでもなればいいや。

 芳雄は顔を背けて、痛いほど固くなっている性器が無数のギャラリーの目に晒されているのに任せた。
 どうってことない……どうせ、こっちからは向こうの視 線は見えないんだ。
 そう思い、開き直ろうとしたが……そうすると腹にぴったりとくっついた性器が脈打っている。
 お前は開き直っても、こっちはそういうわけにはいかないぞ、とでも言うように。
 
「えっ……ちょっと、これ何? ………冷たいっ!」
 ドウ子が抗議するような声をあげる。
  何だろう?芳雄が思ったその時、「それ」がだらりと胸の上に垂らされた。
「……えっ……」

 冷たい。
 そして、非常に粘性のある液体の感触が胸の上に広がる。
 まるで冷蔵庫でよく冷やした蜜のようだった。
 それがゆっくりゆっくりと垂らされ、芳雄の胸の上に奇妙な幾何学模様を描いていく。
 
「………んっ……」
 左の乳首にそれを垂らされたときは、唇を噛んで声をこらえた。
 まるでケーキの上にチョコレートで文字を描くように、その液の細い筋は芳雄の腹のあたりにまぶされていく。
 とりわけ臍のくぼみに向け、たっぷりと垂らされた。
 何度も躰が跳ねたが……何とか出そうになる声を、必死で堪えた。
 そして……その冷たい液体が臍のすぐ下に張り付いている性器に垂らされたとき、芳雄の腰は大きく跳ね上がった。
 まるで焼けた石に冷水注いだようで……あまりにも熱くなっているその部分へ与えられた冷たい粘液の刺激は鮮烈だった。
「ん……ぐ、ぐ………………」
 芳雄はブリッジをするように腰を持ち上げ、その感覚に耐えた。
 
 お構いなしに液は性器を撫ぜるようにたっぷりと降り注ぐ……もうシーツもグショグショになっているはずだ。
 ふと芳雄の脳裏に、今の自分の姿が浮かんだ。
 わけ のわからない粘液を全身にまんべんなく垂らされ、濡れ光る全裸の身体がベッドの上で身もだえている。
 ああ、なんていやらしいんだろうか。

「……くっ………」

 ドウ子の声が聞こえた。
 
 ドウ子も裸に剥かれ、濡れ光る全身を晒しているのだろうか。
 そう言えば芳雄は、ドウ子の全裸を見たことがなかった。
 
 視界が塞がれているのをいいことに、芳雄の想像は無限に羽を伸ばした。
 芳雄より先に声を上げまいと、全身ぬるぬるになりながら、指の背を噛んで声を堪えているドウ子の姿を思い描く。
 これまで散々自分を責め、苛めぬいてきたドウ子が自分と同じ目に遭っているかと思うと、それはそれで痛快だ。
 ざまあみろ、と思ったが、そう思えば思う ほど、想像の中で快楽に耐えるドウ子の姿は痛々しく、悩ましく、切なくて、そしてどうしようもなく淫らだった。
 
「……あっ……あ、あっ」
 先に声を上げたのはドウ子だ。
 動画の中で父に弄ばれていた時と同じ、少しハスキーで控えめな声……次に脳裏に浮かんできたのは、動画の中のドウ子と父。
「……あ、……んっ…………ちょっと……それ、だめ」
 
 “それ”って何だ。
 やがてぴちゃぴちゃと粘液がいかがわしく跳ね上げる音が聞こえてくる。
 一体何がドウ子の身に起こっているのか?
 芳雄はまたも想像を広げようとしたが、それは突然全身に加えられた刺激によってたわいもなくかき消された。
 何十個もの掌が、芳雄の躰の上をすべり、粘液を身体のそこら中に塗り広げはじめた。
 
「……あ……んっ…………ちょっと……そんな……」
 
 まさかそんな言葉で許されるはずもなく、二つくらいの手が芳雄の性器全体に粘液を塗り広げ、ぬるぬると性器を扱き立てる。
 芳雄はひとたまりもなく絶頂に追いつめられた。
 ……しかし奇妙なことに、もはやいつ射精してもおかしくない状況にありながら、最終的な局面には至らない。
 粘液とともに性器を扱き立てる手は、微妙な強弱をつけて芳雄を追いつめてははぐらかし、追いつめてはまたはぐらかした。
 
「……あ……は………あっ……はあっ………」
 
 拷問のような焦らしは際限なく続き、いつのまにか芳雄は自ら腰を振り立てていた。
 ドウ子の存在を気にする余裕は、意識から消え失せた。
 以前より確実に、自分はいやらしくなっている。芳雄はそう思った。
 性器をじらしながら責める、ぬめった手は巧みだった。
 が、それに対して射精を求めて踊る自分の腰の動きもまた、以前より激しく、生々しいものになっている。
 しかも、それは自分では止めることができないのだ。
 
 子どもの自分はもう死んだ、と先日ドウ子は芳雄に言った。
 ほんとうにそうなのだろう。芳雄にはもはや帰り道はわからない。
 
「……あ……あ、あ……あああっ……」 
 あと、ほんの少しで射精に辿り付けそうになったその時、突然芳雄の性器から手が離れた。
「えっ……?」
 そしていくつかの手が芳雄の上半身を起こし、膝の裏と脇の下を持ってベッドの上から数センチ抱え上げた。
 まるで赤ちゃんがおしっこをさせられる時のような姿勢だ。
 限界まで高ぶった性器を持て余しながら、芳雄は事の成り行きを待った。
「ちょっと……何? ……こんなの、聞いてないよ………」ドウ子が甘ったるい声で抗議らしい事を述べている。「……あ、ああっ……んっ」
 
 しばしの静寂。
 
 そして、何かのスイッチが入る音がして、モーター音が聞こえてくる。
 
「……ひゃあっ……ち、ちょっと……これ、だ……だめ……だめだよ……だめだって」 
 ドウ子の声は微かに震えていた。ドウ子が何をされているのかは……だいたい予想がついた。
 ……しかし、その先に自分の身に起こることについて……芳雄はまったく予想できてなかった。 
「……あっ……んっ……だめ……ほんと……だめ……」

 ドウ子の声が近づいてくる。
 と、自らの肛門の入口に、それがちょん、と触れた。
 それは細く、固い器具で……微かに振動している。

「……えっ……そんな……まさか……」
 芳雄が事の重大さに気づいた時には遅かった。
 どこかから伸びてきた指が芳雄の肛門を広げ……その器具をゆっくりと挿入させてくる。
 たっぷりと塗られた粘液のせいで……芳雄の肛門はその侵入を素直に、しおらしく受け入れていく。
 
「あああああああっ……」

 喉が震え、奥歯がガチガチと鳴った。
 その器具が伝えてくる振動は、脊椎をかけのぼり、脳天を痺れさせる。
 と、やわらかい躰が芳雄の前から抱きついてきた。
 固く尖った乳首が、芳雄の胸板に触れる。
 芳雄もたまらず、しがみついてくるその身体へしがみついた。
 間違いない……ドウ子の身体だった。
 
「……あっ……くっ……あ、あたしっ……も、もうだめっ……」ぐったりと芳雄の肩に顔を埋めたドウ子が、芳雄の耳元で囁く「いっちゃう………」
「…………くっ……むっ……んっ……」
 芳雄の方は、言葉さえ紡げなかった。
 
 と突然、芳雄の目隠しが外される。
 部屋の中は暗く、目が慣れるのにそう時間は掛からなかった。
 ベッドを取り囲むスーツ姿の男たちは皆、白い能面のようなマスクをしていた。
 とにかくベッドの周りは、マスクの男たちで埋め尽くされている。
 中にはズボンから性器を出して、それを自分で扱いている者も居る。
 白い能面の目にあたる穴からは、血走った目が覗いている。
 
 芳雄はドウ子の目隠しが外されるのを見た。
 ドウ子は気にせず、そのまま芳雄の肩をがぶりと噛んだ
 
 芳雄が下半身に目を移すと………そこには生まれて初めて見る女性器があった。
 ドウ子の女性器からは、薄緑のバイブが突き出していた。
 それはまっすぐ前に伸びて、そのもう片方の先端は、芳雄の肛門に埋まっている。
 バイブでつながりながら、芳雄とドウ子は座位のような恰好で抱きあっていた。
 
 あっという間に二人に絶頂がやってきた。
 ドウ子に歯形が残るくらい肩を噛まれたが、痛みは感じなかった。



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