電動
作:西田三郎

「第5話」

■浴室にて

ひっ?!」わたしは胸を押さえ、狭い浴室の中を見回しました。
わたし以外、誰も居るはずはありません。
シャワーを停め、胸を押さえたまま、わたしは浴室にたちつくしていました。
「きゃっ!」
今度はわたしのおへその下に、その振動する「何か」が押しつけら得ました。
それは激しい振動を続けながら、一気に太股へ降りていきました。
「あっっ!!」
 わたしは慌てて脚を閉じ、浴室の床にしゃがみ込みました。
 その見えない「何か」が、さっとわたしの身体から離れます。
 誰かが居る。
 わたし以外の誰かが、浴室の中に居る気配を感じました
 それはわたしの前に居るとか、後に居るとか、そんな具体的な感じではありません。
 浴室一杯に、それは居るのです。
 「ひゃあっ!」今度はお尻の間を、「それ」に撫でられました。
 わたしが思わず立ち上がった時です。
 ものすごい力で、わたしの両手が目の前の浴室の壁に、押しつけられました。
 「?!」
 と同時に、お尻が乱暴に後ろに引かれます。そしてわたしの脚の間に入り込んだ何かの力が、わたしの脚を左右に大きく開きました。
 「いやっ!!」わたしはあっという間に、お風呂場の中で壁に手を付き、お尻を突き出したままで、両脚を開いているという、恥ずかしい姿勢を取らされれてしまいました。
 「ん…くっ!」
 いくらもがいても、見えない何かがわたしを押さえつけ、その姿勢から逃れることを許しません。
 「…あっ…やっ…」
 わたしは自分の目を大きく見開きました。
 目に見えない「手」が、わたしの両方の乳房を、激しく、乱暴に揉みあげているのです。
 つまり、わたしの乳房はひとりでに波打つように形を変えていました。
 「んくっ…」両方の乳首をひねり上げられます。
 乱暴な手つきでしたが、そのまま見えないその指は、わたしの乳頭をくりくりと転がし恥じました。
 「…やっ…いやっ…あっ…っや…」
 浴室の中にわたしの声が反響します。
 しかし家の中にはわたし1人。誰も助けには来てくれません。
 いや、助けが来たとしても、この状況をその人はどんな風に思うのでしょうか?
 
女が1人で浴室の壁に手をついて、悶えているのです。とても正気の沙汰とはいえません。
 と、その見えない何かは、わたしの乳房を揉み上げながら、あの振動を、わたしの脚の間に差し込みました。
 「いやあっ……」
 その振動の先端は、わたしのお尻の穴と、肉の裂け目の間をじらすように行ったり来たりします。
 揉み上げられた乳房の先端で、わたしの乳頭は恥ずかしいほど固く突き出していました。
 「ん…くっ…あっ…やっ…」
 わたしは腰をうねらせてわたしの下半身に加えられる刺激から、逃れようとしました。
 と、風呂場のガラス戸を見ると、お尻を突き出して腰をうねらせているわたしの姿がはっきりと映っています。あまりにも淫らで恥ずかしい眺めに、わたしは顔を背け、目を固く閉じました。
 下半身の振動の感触はわたしの脚の間をゆっくり離れ、わたしのお尻の肉を愉しみ始めました。
 「ああ…」本当に自分でも情けなくなりましたが、わたしはその焦らすような動きに、すっぽかしをくらったような気分になり、思わず振動に自分のお尻を押しつけるようにしていました。
 振動はお尻の肉を味わうと、そのまま背骨をゆっくりと移動します。それは肩胛骨の間をすりぬけ、首筋を経て、ゆっくりとわたしの乳房を目指しているようです。
 気が付くと、わたしを壁に押しつけていたあの強い力はいつの間にか無くなっていました。
 その必要もなくなったからでしょう。
 その頃にはもう、押さえつけられるまでもなく、自分の力でその姿勢を保っていたからです。
 「んんんっ…!」
 固く立ち上がった乳頭の先端に、触れるか触れないかの微妙な感触で、振動が加えられます。
 ゆっくりと時間を掛けながらその振動は両方の乳頭をくすぐり、弄び続けました。
 と、その時です。
 もう一つの振動が、新たにわたしの脚の間に差し入れられたのは。
 「?!」
 今度、脚の間に差し入れら得たそれは、すでに濡そぼっていた裂け目をなぞると、一直線に敏感な花心を直撃しました。
 「…あああああああっっっっ…!!
 わたしの高い声が、浴室の中に響き渡ります。
 わたしは夢中で腰を振りたくりました、その刺激から逃れるためというよりはむしろ、さらなる刺激を求めるために。わたしが腰を振りたくっても、振動はわたしの快楽中枢から離れることはありませんでした。目の前が白くなり、太股の内側に、熱い液体が流れ落ちるのを感じます。
 「…ん…くっ…あっつ…や…やっ…………いやあっ!」
 浴室の壁に頬を押しつけ、思い切りお尻を上げた姿勢で、わたしは絶頂を迎えました。
 貧血になったように視界が白熱し、全身から力が抜け落ちます。
 そのままわたしは壁を伝い、浴室の床に土下座するような格好で崩れ落ちました。
 

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