駄目なあたし 作:西田三郎


■6ヶ月ぶり

 男はバイブを引き抜いてあたしを裏返し、お尻を突き出させた。
 あたしは大人しくお尻を上げたまま、男の次の動きを待っていた。
 男がズボンのベルトを外す気配がした。荒い息づかいが聞こえてくる。
 「ほれ」
 「あっ」
 お尻の肉に、固くて熱いものが押しつけられる。
 「6ヶ月前に最後にヤッたのが、お前だからな。もうこんなになっちゃったよ
 「…知るか」あたしは言った。でも、お尻に当たる肉から男のが伝わってくる。
 あたしのお尻はゆっくりと動き始めていた。
 「ほれ、お前も久しぶりに入れて欲しいだろ?」
 「…死ね
 「我慢すんなよ、ほら」
 「くっ…」男が先端入り口につけた。
 「ほら、欲しいだろ?」
 「ん…」あたしは目を閉じて歯を食いしばってこらえた。ちょっと男を調子に乗らせ過ぎた
 「…ほら、欲しいか?」
 「んん…」
 「行くぞ?」
 「んんんっっ!」男のものが、半分くらいまで入れられた。「…ああ…」
 「ほら、もう入っちゃったぞ」
 「くうっ!」
 あたしは自分からお尻を男の方に突き出した。
 男の先端があたしの奥まで届いた。
 懐かしい感覚だった。
 懐かしい固さ、懐かしい長さ、懐かしい太さだ。
 決してそれが人並み外れて、固かったり、長かったり、太かったりするわけじゃない。
 ただそれは、懐かしい感覚だった。
 いつの間にかあたしは、男のものをすごい勢いで締め付けていた。
 男がゆっくりと動き始める。
 「…あっ…んんっ…あっ…ああっ…あっ…あああっ…」
 「いいか?」男に聞かれた。
 「…いい
 「久しぶりで、いいか?」
 「…すごく、いい…」
 「もっと、欲しい?」
 「…うん」
 男の動きが早くなる。
 「んんあっ!」
 お尻の方でねちゃねちゃといやらしい音がする。
 あたしは腰を振りたくった。男もめちゃくちゃに動きまくった。
 後ろ手に手錠された両手からは感覚が無くなっていた。
 あたしはをたらしていた
 自分でも信じられないくらいの声が出た。おかしくなりそうだった。
 実際、そのころにはおかしくなっていた。
 「…ねえ…」あたしは言った「…やっぱ、後ろに……」
 「ん?…なんだ?
 「後ろに、入れて…」
 「…相変わらずいやらしい女だな、お前は」
 男の指があふれ出しているあたしの液をすくい取って、そのまま肛門に塗った。
 「ああっ!」
 「…やっぱ、これが好きなのか?忘れらんないのか?
 「…は…早く」あたしはさらにお尻を突き出していた。
 「…ほら」
 男の指が、お尻の穴に入ってくる。
 「くああああっ!」
 背骨に電流が走ったみたいになって、あたしはさらに男のものを締め付けた。
 こんな風にするのが、あたしとこの男いつものやり方だった。
 6ヶ月前が、鮮明に蘇ってきた。
 お尻の穴の中で男の指が動いた。あたしはその度に躰全体を波打たせて悦んだ。
 結局、ヤッてしまった。
 あたしは本当にだらしない女だ。
 この散らかりまくった部屋どおりの女。
 いつも流されて、楽な方気持ちのいい方に行ってしまう。
 思えば、そんな自分を変えようと思ったから、この男と別れたのではなかったか。
 でも、この男と別れてからんぼ6ヶ月間はどうだった?
 部屋も片づけず、相変わらずちゃんとした仕事もせず、バイトで食いつないでいる。
 彼氏も出来ない。毎日しょうもないバイトをして、友達も居らず、散らかりきった部屋に一人で帰ってきては、さらに部屋を散らかして、片づけもせず眠ってしまう日々。その繰り返しだ。一体こんな生活になんの意味があるのだろう?
 でも、まあいいや。今すごく気持ちいいから。前向きなことはこれが終わってから考えよう。
 お尻の穴を指で犯されながら、前の穴をこれ以上ないというくらい強く突きまくられる。
 男は左手であたしのおっぱいを揉みまくっていたが、やがてそのまま手を前に回し、クリトリスを責めてきた。 これも男のいつものやり方だった。
 お尻の穴と、あそこと、クリトリス、3カ所を同時に責められて、あたしは気を失いそうになった。
 「ここか?」男が言う。
 「そこ!」
 「いきそうか?」
 「いきそう!
 「いくか?」
 「いく!いっちゃう!
 つき合っていた頃、何百回も繰り返したやりとりだった。
 あたしは本当にイった。
 男があたしから引き抜いて、あたしのお尻の上に熱いのを大量にかけた。
 
 あたしたちは、しばらく重なり合ったまま動かなかった。
 信じられないくらい静かで、近くの中学校のチャイムが聞こえてきた。
 何故だかはわからないけど、どうしようもなく悲しくなって、少し泣いた。
 
 


 
 

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