童貞スーサイズ

第四章 「
アウト・オブ・ザ・ブルー、イントゥ・ザ・ブラック



■第36話 ■ パパ・ユーアークレイジー
 工藤がリモコンを操作した。 

 画面の中の父が動き始める。
 父はぐったりしたドウ子をそのままベッドにうつ伏せに寝かせると、カメラの前まで歩み寄ってきた。
 画面いっぱいに広がる父の顔……その顔は少し上気しているが、どこかファインダー越しに遠くを見ている。

 「……芳雄、見てるか?」父が行った「……ここまでやってくるのに、どれくらい掛ったかな? ……一週間? ……3ヶ月? ……1年? ……いや、まあそれはどうでもいいよ。とにかく……よくここまでやってきた」

 言い終えると父は、ドウ子の粘液で塗れた指を銜えると……チュウーー……と音を立てて吸った。

変態……」……後ろでシーツに顔をうずめたままのドウ子が呟く。

「……いやあ、これはすばらしい味だ」父が満足そうに語り始める。「……こんな味を、お前はまだ知らないだろう……いや、そりゃ当たり前だ。父さんもお前の歳の頃は、こんな味は知らなかった」

 そのまま父はまたカメラから下がり、ベッドの上に戻った。
 うつぶせになったドウ子の躰が、少し息づいているのが見える。
 と、父がドウ子の腰の下に手をこじ入れ、ドウ子の腰を浮かせる。

「んっ……」とドウ子。
 
 ビデオはドウ子のか細い躰を、真横から捉えていた。
 くの字を伏せたようなドウ子の躰は、まるで痩せた猫のようにしなやかだ。
 突き上げさせられた尻は硬そうで、ほとんど少年のそれに近い。
 横から捉えられた腰から尻にかけての厚みが、びっくりするくらいに薄い。

 父はそのまま……ドウのベージュの下着を、つるん、と脱がせた。

 「えー……ホントに……ホントにこのまますんのお……?」
 「あったり前じゃん……これ、僕の息子に残す遺産なんだから……」
 「……って……あんたん家、どーなってんのよ………んっ……あっ……」

 突き上げさせたドウ子の尻に、父が顔を沈めていく。

 「………やっ………それ……それ、だめ……だめ、だって…………」

 しばらく、ネコが水を飲む時のような音と、シェイクをストローで吸い込むような音が続いた。
 父が激しく吸い上げるたびに、ドウ子の小さな尻がびくん、と高く跳ね上がる。
 ドウ子はちらちらとカメラを見るが……その度にはっとしてシーツにまた顔を埋めた。
 
 それを見ていると……信じられないことだが、芳雄はドウ子が改めて愛おしくなってきた。

「ぷはあ……」ひとしきりその口でのお楽しみを終えると、父は顔を上げた。
「はあ……」ドウ子がまたぐったりとベッドに身を沈める。
 その尻が小刻みに震えているのも……白い尻の表明が濡れ光っているのもはっきりと見えた。
 父は掛け布団で口をぬぐうと……またカメラに向き直った。

「さて……芳雄。こんなことをしている父さんを見て、お前はどう思う?」父は笑顔で言う。「うらやましいかい? ……そうかな? まあ、こんな可愛い若い子と、お父さん、こんなことしちゃってんだからな」
「……つーか……きっと“変態そのものだ”って思うよ」
 シーツに伏せたままドウ子が言う。
「……軽蔑する? 腹立たしい? ……自分の父親として情けない? ……それとも虫唾が走るかな……? ええっと……この子、ドウ子ちゃんって言うんだ ど、ここまで来たってことはお前も知ってるよな? ……この子が言うように……おれのことを変態だって思うかな? ……まあいいさ、お前がどう思おうと自 由だ………でも、こういうことをするのもまた、お父さんの自由なんだ」
 
 画面を見ながら、芳雄はゴクリと唾を飲み込んだ。
 なんなんだ……? 父が言っていることが、少なからず理解できるようになっている自分が恐ろしかった。

「……あのな、芳雄」と画面の中の父。「まあ母さんやお前の姉さんがこんなことを知ったら、それどころじゃないんだろうけど……これだけは今、自信を持って言えるよ……これはお父さんが、昔から……ずっと……それこそ全身全霊を掛けて、本気でやりたかったことなんだ」
「……す、すけべ」またドウ子が呟く。「……あっ……」

 父がドウ子の腰を、また引き上げる。
 「そうだよ、ドウ子ちゃん……コバちゃんはすけべえ親父なんだ……それは君が知ってるだろ? ……それに……ドウ子ちゃんだって、こういう事すんの、大好きだろ?」

 父がブリーフを下げた。
 ボテ腹を打ちそうな勢いで、父の肉棒がまろび出た。
 それまでにも当然、芳雄には父の性器を見たことがあった……ずっとずっと幼い頃に、一緒にお風呂に入ったときなどに。
 姉がそれなりの年齢になってからは、父の下着一枚の姿すらあまり見た記憶はない。
 しかし……画面の中の父の性器は、まるで締め上げられたように張り詰め、その先端を真上に向けていた。
 先端ではすでに粘液の雫が、表面張力して光っている。

 それでドウ子を一気に貫くことは、歯磨きのキャップを外すことより容易いことであるように思えた。

「……ん……」
 ドウ子の尻に手を沿え、父がゆっくりと左右に開く。
「いやあっ……」カメラの位置は真横からなので、当然ドウ子のその部分がどうなっているのかは伺うことができない。「そ、そんな……み、見ないでったら……」
  
 父はにやりと笑うと、またカメラに向き直った。

「さあて……お父さんはこれからこの可愛らしい、美しいお嬢さんとセックスするわけだが……お父さんはものすごく幸せだ。こんなことを言うとお前はお父さ んについて、ものすごく勝手な親だと思うかも知れないが……今、お父さんは、お前や姉さんの父親でもなければ、お母さんの夫でもない」
 
 そこで父は、自分のいきりっ立った性器に手を添えて、その先端をちょん、とドウ子の尻の間につける。

「んっ………!」
 顔を伏せていたドウ子が、びくっと肩を震わせる。
 父は動かない……ニヤニヤ笑って……ドウ子の挙動を見守っている。
「……どうしたの? 欲しいかい? ……ドウ子ちゃん」
「………へ、変態」ドウ子が横顔を見せる。
 そのほとんどは、あのふわふわの癖毛に隠されているが、その隙間から恨めしげな目が覗いている。

 父は一向に動く気配がない。
 そのままドウ子の入り口に先端を押し当てたまま……その震える尻や、息づく肩を見守っている。

「……さて、お嬢さんが本当に欲しくなるまでもうちょっと時間があり そうなので、話の続きだ」また父はカメラに向き直る「……お父さんは、お前や姉さんの父親であり、お母さんの夫だった。いい親で、いい夫だったかどうかは 知らないよ……まあ多分、そうじゃなかったろう。でもね、お父さん自信はどうだったと思う? ……お前たちにどう思われていようと、いい父であろうとし、 いい夫であろうと、本気で頑張ってきた。………まあ、それが報われなかったからって……おれはお前たちを恨んだり、文句を言ったりするつもりはない……た だ、これだけは覚えておいてほしい……とくに、芳雄。お前にはだ」
 父は動かない。

 「あ……は…………ん………くっ……」

 ドウ子の尻はゆっくりと左右に、上下に揺れ始めていた。

 「………芳雄、人間はこの世に生まれてきた限り、やりたいことをするべきなんだ。その結果……どんな結末が待ち受けていようと、そんなことは気にするべきじゃない。未来に関しては……未来の自分がなんとかカタをつけてくれるもんだ。そしてどうしようもなければ……すべてから逃れる方法だってある。だから……」
 ここで父は、ドウ子に向かって数ミリほど腰を前進させた。
「あんっ…………」
 ドウ子が背中をこわばらせ、ブラウス越しに肩甲骨の膨らみが見える。
「……芳雄、何も恐れることはない……お前に言いたかったのは、この ことだ。お前はお父さんを恨んでるだろう? ……お父さんは、お前に自分と全く同じような人生を強制するところだった……あの夜……お前が6歳だったとき のあの夜のことを……取り消すことができればどんなにいいか……それを悔やまなかった日はない……これは本当だ」

 ぼくが6歳だったあの夜………? 芳雄はポカンと口を開いた。
 一体何のことだ? ……自分には全く覚えがない。

 「……ね……ねえ」画面の中のドウ子が、癖毛の奥からとろんとした視線を背後の父に投げかける「さ……さっさと……い……挿れてよ。変態

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