無き世界に In a World Without Love
〜中国自動車道中1少女手錠放置死事件〜

第一章「許され
ざる者」

妄想:西田三郎

■2004/10/20 (水) 第一章〜許されざる者 13 

「ノノ子たん、小学校時代」


※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。9割9分くらいまでが妄想です。

『小学校をふり返って』 6年3組 土家ノノ子

 『もうすぐ卒業式です。6ねん生でいちばんたのしかった思いでは、伊勢・しまへいったしゅう学旅行です。水族館には、たくさんの魚がいて、とても楽しかったです。大きなまんぼうを、ともだちと二人でみて、おさしみにしたら、どんだけになるやろなあ、と言ってわらったのをよく覚えています。
 
 また、まえの学校では(ノノ子たんは2000年11月に転校している)5年せいのときの林かん学校が、いちばんの思いででした。夏でも、かみこうちはすずしくて、リフトに乗ってたのしかったのをよく覚えています。

 わたしが、この学校に転校してきたときは、ともだちは、ひとりもいませんでした。ほんとうのことをいうと、はじめ入ったとき、6年3組のみんなが、ちょっとこわかったです。でも、今はだいじょうぶです。たとえ、5か月でも6か月でもいっぱい仲良しの友達をつくりたいです
 
 わたしのしょう来の夢は、かんごふさんになることです。わたしは腸がわるくて、赤ちゃんのときにしゅづつをしました。それからも、何回か入院しています。入院したりした時、かんごふさんがやさしかったです。それと、弟が、けがで入院した時に、おもいました。かんごふさんになったら、子どもが病気やけがをしたときに、手あてができます。そのためにはいっぱい勉強をしなければならないので、がんばります

・・・市立両津小学校(仮名)2001年度卒業文集より。

 ノノ子たんは自分の妹や弟、そしてお友だちにとっても優しい子どもでした。とっても優しくて、明るい子どもでした。
 手先がとても器用で、裁縫料理が得意でした。
 小学校ででは、家庭科のクラブに所属。小さな自分の弟にあげるために、小さな小さな手提げ袋を作ったりしました。

 小学校時代の担任の先生は、こう語っています。

 「2ヶ月ほど前、『学校の返りやねん。雨宿りに寄ったんよ』といって職員室に顔を出してくれたんです。『中学でも頑張ってるで』と言ってくれました。夏休みに入って、茶髪にしたと噂に聞いていたけれど…特に問題があったとは聞いていませません……あれが最後になるなんて…」

 先生もそれ以上は言葉にならず、泣き崩れて話すことができませんでした。

<つづく>




■2004/10/21 (木)第一章〜許されざる者 14 

「ラスト・デイズ」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。8割5分くらいまでが妄想です。

 さて、持ち前の明るさと気くばりで人気者だったノノ子たん。
 市立ミナミ野中学校(仮名)に進学してからも、そのキャラを失うことなく、表向きはたのしいジュニア・ライフを送っていたようです。

「明るい子やったよ。なんか身体はいつもしんどそうで、体育もよう見学しとったけど、いつも周りには友達がたくさん居て、一人でおるとこは見たことない。うれしそうに笑ろてる顔が印象的やった

 とは、同級生男子の弁。

 料理が得意だったのの子たん。
 同年、6月8日(奇しくもその日はタクマくんが池田小学校で子どもを殺しまくった日と同じです。関係ないですけども)、大阪スイタ市の青少年野外センターへの遠足では、焼きそば作り、食した同級生たちも「たいへんおいしかった」と語っています。
 
 まあ年頃の女子ですので、好きな男の子もいました。
 恋に恋する年頃のノノ子たんが思いを寄せたのは同じクラスのササキ君(仮名:13)。
 彼女は親友にこう漏らしています。

「あんなー、うちなー、いまなー、めっちゃ好きな人がおるんやんかー。ササキくんてなー、スポーツもようできるし、おもろいと思わへん?なー?」

 語尾が伸びるのが今時の子です。
 思いきってササキくんにコクったノノ子たんでしたが、敢えてササキくんからのの返事は聞きませんでした。
 
「うちなー、片思いでもえーねんやんかー。そやから、返事はええよ。うちも言うてすっきりしたわー」

 歌手で好きなのはアユこと浜崎あゆみさん。歌を歌うのが大好きで、日がな一日
きょおおがとおてえもおおおおおおたのしくてえええええ
 などと調子外れの歌をよく口にしていました。(浜崎さんからノノ子たんへのDedicateは在りませんでしたが)
 
 小学校では家庭科クラブだったノノ子たんでしたが、中学に入ってからは文系から体育系へ転向。
 ソフトボール部に所属し、運動神経は抜群でした。

 ノノ子たんの訃報が伝わったとき、同じクラブに所属していた女生徒の中には、その場で泣き崩れた者もいました
 
 <つづく>



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