無き世界に In a World Without Love
〜中国自動車道中1少女手錠放置死事件〜

第一章「許され
ざる者」

妄想:西田三郎

■2004/10/18 (月) 第一章〜許されざる者〜 11 

「何故?」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。4割3分くらいまでが妄想です。

 とにかくこの事件の第一報が入った2005年7月25日、日本国中に戦慄が走りました。
 中1のいたいけな少女が高速道路に手錠姿で放り出されていたのですから、騒ぐなというのが無理です。
 
 事件の詳細情報も入って来ないまま、とにかく世間は「何故?」という問いかけに答を求めました。
 トーゼン、某巨大掲示板ではお祭りがはじまりました。
「少女の手に手錠が填められていたのだから犯人は警察官だろう」というもうちょっと捻りなさい的なものから、
犯人はヤンキーか暴走族に違いない」といった根拠のないもの、さらに
(;´Д`)ハアハア」という、わたくしと大して変わらない不穏当なものまで、あっという間にスレが3つくらい立ったんじゃないですかね(このへん記憶が曖昧)。
 
 わたくしも様々な想像をめぐらせましたが、どうも不気味なのは、そのような人でなしなことをした下手人の犯人像が、明確に描けないこと。

 だいたい、その時点では、この事件が性犯罪であるかどうかも明確に判らないのです。

 世間一般の感覚からいきますと、手錠→SM→鬼畜ロリ変態という連想は至極まっとうなのですが、その連想をそのまま当てはめていいのか?というか、そんな判りやすい連想が成り立ってしまうのは、実はとんでもなく恐ろしいことではないのか?
 
 少女が悲惨な死を迎えたことに何ら変わりはないのですが、まだわたしの中では、少女がそのような恐ろしい目に遭ったという現実を認めたくないような、認めてしまうのが恐ろしいような、そんな曖昧な感覚が犇めいていました。

 世間とて同じだったことと思います。
 同年6月の池田小学校児童殺傷事件のタクマくんにさんざんビックリさせられ、もう暫くは何が起こっても驚かないぞ、と決めていた矢先のことでした。
 
 奇しくも事件が発生したのは小、中高等学校が夏休みに入ったその第一週目ということにより、思春期の子どもを抱える親御さんの(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブルは如何ばかりだったことでしょう。
 何としても事件の詳細が知りたい…
 わたしも含めてゲスだらけのこの国は、何故少女が殺されたのか、その回答をせっかちに求めたのですね。

<つづく>






■2004/10/19 (火) 第一章〜許されざる者〜 12 

「ア・ガール・ネクスト・ドア」

※この物語は、実話をもとにしたフィクションです。6割3分くらいまでが妄想です。

 してからマスコミ各社より、生前のノノ子たんの姿を写した写真が公開されました。
 


 ううむ…。
 


 はっきり言って、あまり可愛くない
 死んだ人のことをこんな風にいうのいくらなんでも酷いのですが、その写真が公開されて以降、ノノ子たんは某巨大掲示板の男子、8割くらいの支持を失いました。まったく素晴らしい国ですこの国は。
 
 写真の中のノノ子たんは、男の子のようなショートカットで、薄い顔立ち。赤いフードつきのトレーナーを着て、何か笑いを堪えたような、何か言いたげな表情でこちらを見ています。

 確かに美少女とはいえません。わたくしは見ていないので何とも言えませんが、北九州カッター首狩り少女の●バダちゃんの方が、ずっと可愛かったのではないでしょうかね。美人は得ですね。キム・ヒョンヒもいつぞやの韓国の美人強盗も、その容姿の端麗さで、男性からの非難を免れるばかりか、支持さえ集めるのです。やはり韓国と日本は地続きですね

 しかし…どことなく、わたくしにとっては印象的な顔でした。年齢よりも、ずっと幼く見えたのを覚えています。

 彼女が暮らしていた東ヨド川区●光は、新幹線の高架と、淀川の堤防くらいしか見るべきものがない、タイクツな土地柄なのは知っていました。

 このわたくしが少年時代を暮らした大阪市イクノ区も、負けず劣らずひどい処ではありましたが、住んでいる人の7割が在日韓国人の方々でそれぞれがお商売をされているで、うらぶれながらも、一種独特の下町的な活気がありました。

 しかし、かの地区は京阪神の工業地帯で働く工員の皆さんが沢山住まわれている地区。言うなればベッドタウンですので、とくに昼間は活気がなく、ひっそりとしています。
 
 写真で見るノノ子たんは…そういう町に相応しい子どもでした。
 
 個人的感想で申し訳ないのですが、わたしは小学6年の頃、同じクラスだったミズナカさんを思い出しました。

 ミズナカさんのお父さんはアル中かつヴァイオレントなお方だったので、彼女とお母さんは毎日のように拳固による攻撃を受け、生傷が絶えませんでした。そんな過酷な家庭に育ったミズナカさんは、当然の結果として、他者とのコミュニケーションを取るのがあまり上手ではなく、学校裏のクズ鉄工場に飼われていた痩せた死にかけの駄犬と、ドリトル先生のようにお話ができるようなとても明るい少女であった反面、クラスでは浮いた存在でした。
 
 クラス一の秀才で美少年だったわたくしとは違って。
 
 しかし…なんでこんな子どもがそんな酷い目に遭わねばならないのだろう…?なにか納得できませんでした。
 

<つづく>



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