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童貞スーサイズ
第一章 「ザ・ガール・ウィズ・ノー・ネーム」




 ■第2話■ ダイイングメッセーッジ

 もちろん、芳雄は自分の部屋に専用のノートパソコンを持っている。
 USBメモリの中身を見ようと思えば、いつだってできた。
 しかし芳雄は、父の葬式で工藤と名乗る男からそれを受け取ってから、三日きっかり……自分を焦らし続けた。
 葬式も一段落し、疲れ果てた母と姉がぐっすり寝込んで家の中が静かになるまで……そのUSBメモリの存在を意識しながら、その中身を見ないでいることを自分に強いた。
 もどかしさと、自分をむずむずさせる好奇心。“秘密”を独占しているという実感。
 自分を焦らす三日間、芳雄はずっと、奇妙な高揚感を感じながら過ごした。
 子どもの頃、つまり今よりずっと子どもだった頃には、よく味わった感覚だ。
 姉や友達とかくれんぼをして、隠れ場所から自分を捜す鬼をこっそり見ているときのような。
  小学校3年のときのクラスに居た、グズでチビの級友にどんな意地悪をしようかと考えているときのような。
  小学校高学年になって以来、芳雄は今日ほどのワクワク、ムズムズする亢奮を感じたことがなかった。
 多少、自分は早熟すぎて……子どもらしい楽しみをいち早く失ってしまったのかもしれないな、と芳雄は感じていた。
  
 そして、父の葬式からきっかり三日目。
 母や姉たちが、すっかり寝静まった深夜2時。
 
 芳雄は学習机の上のノートパソコンに、USBメモリを差し込んだ。
 カチリという微かな音で、母や姉たちが目を覚ましてしまうんじゃないか?
 ……そんなバカバカしい疑心にかられるほど、芳雄はパラノイックな快感に酔いしれていた。
 
 USBに入っていたのは、想像していたとおり……flv形式の動画だった。
 タイトルは“with_girl_who_has_no_name
 これは……ただごとではない映像に違いない、と芳雄は確信した。
 躍り上がりたくなるような期待感のせいで、鳥肌さえ立った。

 精通を迎えたのが11歳のとき。そしてオナニーの正しいやりかたも板につきはじめたのは12歳の半ば。
 現実のクラスメイトの少女たちに心惹かれることはなかったが、性欲は健全に成長していた。
 姉と母と暮らすこの家庭にあって、芳雄は毎晩のように自室のパソコンでエロ動画を検索しては、自慰を繰り返してきた。
 家族が寝静まってからこっそりヘッドホンを装着して、人間の様々な性交の形を記録した映像を愉しむ。
 スエットズボンの中に手を突っ込んだ状態で。

 なにせ、芳雄は13歳の少年なのだ。

 母や姉が起き出してや来ないか……そういうスリルのなかで行う自慰は、何故かまた特別な快感があった。
 ひょっとして、そんなスリルに快感を感じる自分はおかしいのかも知れない、と思うときもあった。
 そういう行為をしている時……その現場を、母や姉に発見されてしまう事を考えると……ますます亢奮してしまうのだ。
 母や姉の驚く顔を想像する……そして、ぐったりとうなだれた自分を、母や姉が汚いものでも見るように見下ろしながら、罵倒する様を想像すると。
 
“何をしていたの? その手で、どこをいじっていたの? 何のためにそんなことをしているの?” 想像の母が芳雄を叱責する。
“いったい、そんないやらしい事、いつからやってるの? いつからあんたは、そんなにいやらしい子になったの??”姉が問いつめる。
 ますます亢奮した。
 “お母さんとお姉ちゃんの目の前でやってみなさい!!! ほら!早く!!”

 そうして、母と姉の前で自慰を強制される自分を想像すると、どうしようもなく亢奮した。
 やはり自分はどこかがおかしいのだろう。そのことを、芳雄は心から恥じていた。誰にも言えない秘密だった。
 そのころの芳雄は幼すぎて……誰にも似たような秘密があることなど、知りもしなかった。
  
 そんなことはどうでもいい。
 とにかく、この動画を観なければ。
  
  ヘッドホンを装着して、再生ボタンをクリックする。
  ビューワーが開き、数秒、デジタルノイズが入った後、映像が始まった。
  
 どこかのラブホテルの一室……らしい部屋。ファンシーな雰囲気で結構広め部屋のようだが、窓がひとつもない。
 もちろん、芳雄にはそんな場所に足を踏み入れた経験はない。
 大きなベッドの上に、白いブラウスに紺色のプリーツスカート、という制服姿10代の少女が腰掛けている。
 彼女は、つまらなそうにカメラを観ている。
 芳雄にはその少女が自分より少し年上であるように見えた。
 黒い髪は首筋までで、パーマをかけているのか癖毛なのか、どこかふわふわとしている。目の前にも長い前髪が掛かっていた。
 前髪の隙間から、少女がカメラのファインダーを見つめている。実に不機嫌そうな目つき。
 ほっそりとした体つきで、顔は小さい……身長は比較対照がないのでわからないが、少し長身に見えた。
 
「準備オッケー?」
 画面外に男の声……間違いなく、父の声だった。
「………」
 少女はふてくされたようになにも話さない。
 やがて画面の下手から、ブリーフ一枚の父が現れた。
 生白いすべすべした皮膚に、分厚い脂肪。ブリーフのゴムの上には、こってりとした脂肪が乗っかっている。
 表情は芳雄が知っている生前の父と同じで……芳雄がよく知っている“何かを堪えている”顔。
 ただ、父がブリーフ一枚の姿で、しかも自分と同じくらいの年頃の少女とホテルに居る映像は、芳雄にとってかなりの衝撃だった。
 父が女子高生と心中をして、無様に自分だけ死んだことは知っていた。
 つまり、父は女子高生と交流を持っていた、しかも肉体的に交流していた、ということだ。
 いま、芳雄は、映像でそれを目にしている。
 映像を目にするまでは、「親父も、なかなかロマンチックな死に方をしたもんだ」と、クールに考えていた芳雄だったが、映像で目にするその情景は、想像以上に衝撃的だった。なにせ、芳雄にはセックスの経験がない。
 エロ動画は見るが、いま目にしているのは、自分の父親(ブリーフ一丁)と見知らぬ女子高生(制服姿)が、ラブホテルで時間を過ごしている様を捉えたものだ。芳雄にとって、その生々しさ、内蔵がむき出しになったようなナマナマしさは、まさに未知の領域のものだった。
  
「ほら、映ってるよ、あれに」
 少女の背後に座り込んだ父が、少女の耳元で言う。
「……ちょっと、これ、本気?」
 ふてくされた少女の声。思ったよりハスキーな声だった。
「本気だよ。カメラに、観て貰うんだ、これからすることを」
「おじさん、おかしーよ、やっぱり。いかれてるって。キモいって……んっ」
 父が少女の首筋に吸い付く。
「何なの? 恥ずかしいの………?」
 父の顔が早くも紅潮している。
「……だって………てか、思いっきりカメラの前じゃん………やっ」
  父の両掌が、後ろから少女の胸をブラウスごと掴んだ。
「………ああ、まだ、あんまり大きくないねえ……まだまだ大きくなるはずなのに、もったいないねえ………まだまだこれから………ずっとずっと、もっともっと大きくなるのに」
「……やだ」
 少女が身をくねらせる
「恥ずかしいの? 別にいいじゃん、あと何日かで、死んじゃうんだから………」
「……だって、それでもやっぱ、カメラの前って」

 少女が恨めしそうに背後の父を見て、カメラを見て、顔を背ける。
  芳雄の性器は早くも……反応しはじめていた。
  脚の付け根の間で、ただでさえ敏感なその部分が、すこしづつ勢いを持ち、下着の布を持ち上げ始めていた。

「思いっきりいこうよ。だってこれを誰かが見る時、僕等もう死んじゃってるんだぜ……? そう思えば、恥ずかしくないでしょ?」
「で、でも…………あっ!! い、いやっ!」

 父が少女の膝の間に膝を割り込ませ、大きく両側に開いたのだ。
 スカートが無残にめくれ上がり、少女の脚の間と、薄いブルーの下着がカメラに向かって大きく披露される。
 思わず芳雄は息を飲んだ。

「……いやあ」少女は瞬く間に耳まで真っ赤になり、顔を背ける「……や、やっぱ、ダメだよ、こんなの」
「……そうかなあ?」父が大きく開かれた少女の股間に手を伸ばす「……もう、ずいぶん湿ってるみたいだけど?」
「いっ、やっ…………あっ」
 触れれられて、少女の躰がビクンと跳ねた。
 父の指が露骨に、いやらしく動く。
 父は几帳面ではあったが、不器用だった。パソコンのブラインドタッチもできなかった。
 その父の指が……芳雄の目には巧みに、このうえなくいかがわしく動いていた。
 芳雄は思わず、自分の太股をすりあわせた……脚の間の性器は、はちきれんばかりに固くなっている。
 まるでビデオの中で父に下着の上からデリケートな部分を捏ねまわされている少女。
 彼女が味わっている感覚が、そのまま自分に伝わってくるようだった。
 つまり、父のようなしょぼくれた中年男に、自分の股間をいやらしく弄ばれているような感覚を……芳雄は味わっていた。

 やはり、自分はおかしいのだろうか? あらめて芳雄は思った。

「ほーーーうら……」
「……やっ、ちょっ……と……や、やだ…………やだってば」
 父の指が、少女の下着の中に侵入する。
 少女が細長い脚を、ぎゅっと閉じようとする。
 しかし父の指が、何か致命的なポイントを捉えたのだろうか。
 少女が、はっと息を呑む。
 その直後、彼女の躰はぐったりの弛緩し、背後の父にその体重を預けた。
びちょびちょだよ」
 嬉しそうに父が言う
「……変態」
 恨めしげに半眼の少女が父を睨む。
「案外、こういうの好きだったりして? こんなの、されたことある?………ほら、だんだんぐちょぐちょになってく」
「……や、やだっ」少女が躰をよじりながら、唇を尖らせて言う。「そ、そんな訳ないじゃん」
「……じゃあ、今日はいいことを覚えたね。死ぬ前にこんな気持ちいいことを知ることができて、良かったね」
「ど変態……」
「……どうかなあ、こんなことしてると、僕ら、地獄に堕ちちゃうかなあ……? どう思う?」
「……し、知らないよ」少女の腰がゆっくり動いていた「あっ……やだ! それっ!」
「ここ? こここがいいの……?」
 父が烈しくパンツの中で指を動かしている。
「……や、やめてってば……そ、そんな……あんっ」
「天国に居るみたい……? でも、僕らは地獄に行くんだよ。……だから、今のうちに愉しんどかないとねえ………」
「………はっ、あっ………あ、あ、う、……んっ」
 少女はもう受け答えしなかった。
 しばらく、父に嬲られるままに、ぴくぴくと敏感な反応を見せる。

 それを見ながら、芳雄は自分の性器を握り締めて、少女が反応するタイミングに合わせて、ヒクっ、ヒクっと身体を震わせた。
 やはり、自分はおかしいのだろうか? また、芳雄は思った。しかし、それどころではなかった。

「このビデオ、僕の息子に魅せようと思うんだ」
 指を動かしながら、父が言う。
「……えっ?」
 画面の中の少女と、ほぼ同じタイミングで、芳雄は声を出していた。
「……僕には、君と同じくらいの息子が居るんだ。僕が死んだら、このビデオを息子に見せてやるんだ……どうだい、いいだろ?」
「……な、なにそれ? ほんと……ほんと、変態じゃん……てか、イカレてるじゃん!」
「どう? このビデオを、君と同じくらいの歳の少年が見るんだよ。……君がこんなやらしいことされて、腰を降って、悦んでるところを」

 父が出し抜けに、少女の下着から手を抜きだして………カメラの前に指を翳した。
 指は粘性のある液にまみれ………人差指と中指の間を、白く濁った粘性の高い粘液が繋いでいる。

「いやあっ! てかやめろ! この変態!」
 少女がその手を引っ込めようと父に縋り付く。
芳雄! 見てるか??…………父さんだよ!
  
 父が叫んだ。そこで画像がぷっつりと途絶えた。
 ほぼ同時に、芳雄は射精した。


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