わたしは「うつ依存症」の女

〜私は依存心の強い女〜

2003年 米

2002年 米 監督:誰だっけ?

 観る前は「うつ病」なんて退屈な病気で2時間も持つのか、と心配になりましたが、映画自体はベット・ミドラーの「ローズ」並にウザい女の話でして、イライラしてる間の2時間はあっという間でした。躁鬱病の映画ではリチャード・ギアの「心のままに」という映画がありましたが、あちらが本気で己の病状に対して悩んでいるのに対して、こちらの映画は「病気もまたアタシの個性」みたいな感じで、本当に治す気があるのか。治すんだったら医者の言うことマジメに聞いて薬飲め。それがイヤなんだったらちったあ人の迷惑考えて甘えたことばかり言ってんじゃねえこのブス、と大人げなく声を荒げたくなるようなシーンが満載でした。ソーラ・バーチ主演の「ゴースト・ワールド」も同じようなウザい女の物語でしたが、こっちの方はその手の女に鬱病という「方便」を与えている点が何とも悪質で始末に負えません。それを恐らく地のままで演じるクリスティーナ・リッチは本当にムカつかせてくれます。ということはつまり、この手の女の欺瞞性をそれはそれでリアルに描いているということであり、案外良くできた映画、ということなんでしょうかね?少なくともそうした欺瞞性に対して自覚的ではなかった「リアリティ・バイツ」ワタシが最も嫌いな映画)のような映画よりは。しかし、この映画のテーマは「国民の60パーセントもが抗うつ剤を飲んでいる米国の現状はオカシイのではないか?」という問題提起のはずなのですが、それはラスト近くで思い出したようにチラッと語られる程度で本当にどうでもいいですね。それにしてもルー・リード師匠はホントーに歌と主人公の妄想の中のみという、今時珍しいくらいの判りやすいゲスト出演で参りました。テレビ版「積木くずし」の島倉千代子のほうがギャラ分の仕事はしてますよ。
 

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