〜キティガイ地獄外道祭文〜
2003 加
監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
なんかよくわからない副題がついていて、「ちょっとエッチな青春コメディ」かと思って観ましたら、全然違いましたね。監督はディヴィット・クローネンバーグで有名な変態監督なんですが(それにしてもディヴィットという名前の人は変態が多いようですね)、今回は結構あっさりした映画でして、人間の手がピストルとくっついたり魚の骨でピストルを作ったりはしません。というか、かなりイイ線でキティガイの世界を描いていてこれがなかなかいいですね。だいたいキティガイが出てくる映画というのは数多いですが、映画に出てくるキティガイというのはつまり、家族で田舎の一軒家に住んでいて尋ねてきた女を捕まえ得てはハンマーで殴打、死にかけの爺さんに女の指切って血を吸わせるような人々が主流でして、中途半端に社会にとけ込んでいる、「アナタの隣のキティガイ」みたいなのが出てくるのは結構少ないのですね。あったとしても、キティガイの視点から見た世界を描いた映画はごくごく少ない。「ビューティフルマインド」は結構イイ線を行ってましたが、「17歳のカルテ」なんか、ぜんぜんフツウの人でしたしね。あとは「聖者の眠る街」っていうダニー・グローバー主演のコジキ映画がありましたが、その映画に出てくるトウゴウシッチョーショーのマット・ディロンは「症状が出始め」感が出てまして名演技でしたね。今回、主演はレイフ・ファインズですが、「レッド・ドラゴン」に引き続いてのキティガイ役。「レッドラ」ん時はあまりにステロタイプなキティガイ演技に田舎へ帰れ!と思ったもんですが、今回は健闘でした。「ストレンジ・デイズ」でバーチャルで昔ヤッた女の映像を見てコイていた彼も好きなんですがね。
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