誰も知らない

〜ネグロマンティック〜

2004 日 

監督:是枝裕和


いきなりワタクシゴトで恐縮ですが、ワタシは5年ほど前、大阪は天王寺駅のホームで、子供のコジキを見たことがあります。その少年は年の頃11歳か12歳くらい、服装はドロドロのボロ着で裸足、ヘアスタイルはまるで「怪獣王子」のようです。少年はひと目でソレとわかる電波系&衛生感覚ゼロの、ボロ切れを丸めて立てたようなホームレスババアと並んでホームに立ち、電車を待つわけでもなく、次々とホームを出ていく電車を何本も見送っていました。あれは一体何だったのでしょうか?大阪というのはエキセントリックな街で、外出すれば少なくとも5人はガイキチを見かけるようなところなのですが、後にも先にも子供のコジキを見たのはあれっきりです。
と、言うわけでいつもどおり全く関係在りませんが、主演の柳楽優弥君(激しくラブ)がカンヌ主演男優賞を獲った「誰も知らない」。おすぎもパンフレットで書いていますように、兎に角、柳楽優弥君だけをシッカリ見て心の魔羅を立てる、そんな進歩的なショタ映画だったのでビックリです。カンヌ審査委員長のタラの野郎にそんな高等な感性が備わっているとはとても思えませんが(多分、寺島進と遠藤憲一が出てるから気に入ったのでしょう)ヤギラ君の旬、エロチシズムをたらふく味わう、その意味だけにおいて非常に重要で貴重な作品であるといえましょう。
ストーリーはといいますと、4人の私生児を抱えたバカ母(YOU)が、

ルールその1.自分たちが4人兄弟だということを近所に知られてはならない。
ルールその2.自分たちが4人兄弟だということを近所に知られてはならない。
ルールその3.外出しない。
ルールその4.大声で騒がない。

というタイラー・ダーデンも顔負けの鉄の掟を子供達に課し、そのままどっかに行方をくらますというハードなネグレクト物語。しかし親に見捨てられた子供達が次第に野生化していく様は「サランドラ」を、家に監禁されている子供達という点では「壁の中に誰かがいる」を思わせ、是枝監督のウェス・クレイブンに対するのリスペクトを感じ取ったのはワタシだけでしょうか?

それにしてもあの年頃の子どもをテーマにしておいて、精通初潮から逃げるコレエダ監督のリアリズム感覚(床に落ちた赤いマニキュアが初潮の象徴?片腹痛いわ)は一体どうなっているんでしょうね!!
 
 

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