NARC 〜ナーク〜

〜同僚との不仲に悩んでおられる方に〜

2003年 米

監督:なんか若手のヒト



 いわゆる「バディ・ムービー」ってやつですね。といっても男同士がケツマンコを屠り合うような映画ではありませんよ。あ、いや、案外近いかもです。このように刑事コンビの相棒同士のやりとりを中心に話がすすむ映画を「バディ・ムービー」といい、まあ有名どころでは「リーサル・ウェポン」から変わりどころでは「エイリアン・ネイション」まで、それこそ掃いて捨てるほどあるわけですが、どの映画にも共通しているのは、それらが全て「困った相棒と組まされる」気の毒な主人公の視点で描かれているところですね。主人公は常識的なヒトであることが多く(それはつまりアナタです)、それが人間兵器や異星人やホモや黒人と組まされて仕事を辞めたくなる。そこらへんが「同僚を選べない」立場で仕事をしている我々小市民の共感を集めるわけですね。で、今回の主人公は「スピード2」にてキアヌの代打というなんとも微妙な役回りで出世した、ジェイソン・パトリック。潜入刑事でしたが、犯人追跡中に銃を乱射。運良く犯人には当たりましたが、近くにいた腹ボテ女にも当ててしまう、というお粗末な射撃の腕前が災いして(“インソムニア”といい最近のアメリカの刑事はたるんどるのではなないでしょうか?)ホされている身です。で、上が復職の交換条件として持ち出して来たのが、レイ・リオッタ演じる野郎系刑事のお守りです。「ハンニバル」で頭をパカッと開けられていたリオッタでしたが、今回の映画でも靴下の中にビリヤードボールを入れて容疑者を直撃する暴力刑事を熱演。この暴力刑事が別の刑事の殺害に関わっているのでは…というサスペンスがキモなのですが、話自体はそれほど目新しいものではありません。しかしまあ、レイ・リオッタという「フィールド・オブ・ドリーム」の幽霊投手より後、イイ人の役を全くしない役者をこの役に配することで、展開の先が読めないとこは良かったですね。それにしても彼がカタギの若妻をタラシ込もうとする変態警官を演じた「不法侵入」はどこまでもゲスにできそうな話を、サラリと流しやがって本当に中途半端な映画でしたね。

 
 

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