ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
〜ヒロインはフランス書院風味〜
2003 米
監督:アラン・パーカー
ヒロインはあの「タイタニック」のヒトなんですが、かなりお痩せになったようですね。それにしても顔が相変わらず厚ぼったい。ちょっとスカリー捜査官系の「企画物」風のルックスで、個人的には好みなんですが。ストーリーは現大統領も知事をしておられたテキサスを舞台に、あまりにもシャカリキ過ぎる死刑容認論に突っ込みを入れる社会派サスペンスかと思いきや、例によってケビン・スペイシーが命を掛けての大とんちを仕掛け、周囲を不快にさせるという「セブン」と同じ話だったのでビックリです。
しかしこの映画の白眉はケイトのヒロイン演技。濃紺のジーンズにカウボーイ風ブーツ、大股でガシガシと走り、上司にはタメ口、牧歌的な田舎の大衆食道のメニューを(店員さんの前で)口汚く罵り、車を運転するときは一言おきにShit!と毒づくといった感じでマンガみたいなアメリカン・ウーマンなんですね。そのくせ殺害現場のヴィデオテープなど見た日にゃあストレートにダメージを受け、いつも小馬鹿にしている男の同僚(これが徹底的に使えない男)の胸に泣きながら飛び込んだりするわけです。“パッと見いはシンが強いが実は打たれ弱い女”という、何と言うかフランス書院の小説とかで好色なダメサラリーマンの主人公に「本当はカラダが寂しがってるんじゃねえのかい?」とか言ってヤられてしまい、雌としての本能を掘り出されてケモノのようによがり狂うキャリアウーマンの女上司、みたいな感じで非常に好感が持てましたね。
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