ヒトラー 〜最後の12日間〜

〜おじいちゃ〜ん、なんきんのはなしきかせて〜♪〜

2004年・独

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル

 

 幼かったわたくしはかつて中国戦線で戦った母方のお爺さんの前で可能な限り無邪気を装い「おじ〜ちゃ〜ん♪きょうもなんきんのおはなしをきかせて〜♪」と無理を言って困らせるのが楽しみのひとつでした。
  リーベンクイズOBのおじい様がたが家族や孫にはとても聞かせられないような秘密に関してダンマリ決め込んだまま、大往生して好々爺としての人生を終えようとムシのいいことをたくらんでいる昨今、全国の孫のみなさんにはせいぜい頑張って頂きたいものです。時間はあとわずかです。

 さて、俳優さん演じるところのヒトラー総統ですが、俳優さんや監督さんが狙っているほど好々爺にも見えず、まあそれなりにモノマネは上出来でしたがそれならばコロッケや清水アキラがやっても問題なかったのでは、と思えてしまいます。白眉はこの映画のヒールを一手に担うゲッペルズ夫妻の鬼畜っぷりなんですが、一緒に見ていた妻が「……ふーん、ゲッペルズって思ってたよりいい人やったんやねえ」と溢しましたのでクリエイティビティにつきまとう鑑賞者の受容のベクトルへのジレンマ、なんてーことをひたすら考えた栗の花臭い20代前後のことを久しぶりに思い出せたことはそれなりに良かったです。

 ちなみにこの映画の発射ポイントはユーゲント少女(テツカブトに三つ網み)の自決シーン。
 だいたい映画がはじまって2時間くらいのあたりです。

 


 
 

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