ギャング・オブ・ニューヨーク
〜ディカプリオの面の皮は厚い〜
2002 米
監督:マーティン・スコセッシ
ひとことで言うとこの映画、長すぎますね。時間にして2時間48分。「のぞみ」で大阪から東京まで行くのに2時間と40分ですからそれより長いわけで呆れたものです。それだけの時間、テレビの前に居るというのがまず苦痛でしたね。いや、ビデオですからトイレに行ったり、冷蔵庫からビールを取ったりするときは一時停止が出来るわけですが、これを劇場で観た人は偉すぎますね。偉人です。いえ、やけに長いところは本当に気に入らないのですが、決してつまらない訳ではありません。特に冒頭30分くらいのテンポの良い抗争劇のあたりは最高です。「スターウォーズ・エピソード1」のパロディでしょうか?リーアム・ニーソンは鳴り物入りで仰々しく登場し、やたらめったら強いわりには案外ウッカリ隙をつかれていきなり退場しますし、出てくるヤクザ仲間も棍棒を持った大男とか、鉄の爪を点けて相手を引っ掻く「ヘルキャット・マギー」とか、ほとんど「激!極虎一家!」なとこが大いに好感が持てました。敵対するギャングの名前が「スローターハウス」とか「デッド・ラビッツ」とかカラフルなのはウォルター・ヒルの「ウォリアーズ」でしょうか?加えて全編をシメるのが、仇役のダニエル・デイ・ルイス演じるビル・ザ・ブッチャー!まず悪役の条件として、片輪です。片目が義眼なんですが、それをナイフの先で「キンキン」と叩く仕草に痺れ、真似しようかと思いましたが危ないのでやめました。何かってえと肉切り包丁を振り回す危ない肉屋なんですが、「カルネ」とか「悪魔のいけにえ」を見る限り精肉関係者はヤバい人が多いですね!それを言うなら日本もって、それはちょっと、いくらなんでも言い過ぎですね!主演のレオナルド熊は冒頭からいきなり観客に向かってメンチを切る気合いの入った演技を見せてくれますが、焼きゴテを押しつけられてもかみそり負けくらいにしか跡が残らない面の皮の厚さには感服です。
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