シティ・オブ・ゴッド

〜街のオキテ〜

2003年 伯

監督:フェルナンド・メイレレス


10年ほど前になりますが、関西は京阪沿線の枚方駅周辺で深夜タムロっていた10代のカップル二組が、地元のヤンキー集団とトラブルになり、4人とも拉致される、という事件があった訳ですね。で、4人はそのまま同じく京阪沿線にある樟葉のゴルフコースへ連行、男二人は完膚無きまでにボコボコに痛めつけられ、女子二人は激しく集団レイプされてしまいました。ここまではよくある話なんですが、この無法者集団は、レイプした女子の片方がよっぽど気に入ったらしく、ボロボロになったあと3人を残して、その女子のみをさらに近くのラブホに連行、激しく輪姦したその様をポラで撮影までしたってんだからホントAVの観すぎです。しかし、この女子がシッカリこのホテルのことを覚えていたため、これら無法者集団は全員御用。関西に暮らす小市民はそのあまりの享楽性、否、凶悪性にガクガクブルブルした訳です。もうみんな忘れてしまいましたが。こうした件だけはシッカリ覚えているワタシとしましては、未だに京阪枚方駅周辺に用事で出向いたりしますと、少しドキドキしますね。と、いいますのも、こうした件を報道なんかで聞きますと、もう犯人も捕まってるわけで単に「コワイねえ」で済んじゃうんですが、本当に恐ろしいのはこんな事件が起きた土地には、それが「起こってしまう風土」といのが確実にあるということですね。例え、この件の下手人は逮捕され、事件は解決したとはいえ、その土地が持つ「犯罪を生む風土」は何一つ改善されてない訳なのですね。ですので犯罪汚染というのは根が深く、厄介なものなのです。とまあ、一瞬社会派になっちゃいましたが、大変面白い映画でしたね。ワタシが小学生のときは学校の体育館で「典子は今」が上映され、今思えばそれはそれで結構いいセンスだったと思うのですが、子どもの犯罪が後を絶たず、「何でヒトを殺してはいけないのか」なんてハクチそのものの問いかけが出るくらい、子どもの頭が悪くなった昨今、全国の小学校はこの「シティ・オブ・ゴッド」を上映し、児童に見せるべきでしょう。
 
 

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