チアーズ!

〜話題を選べない男はダメですね〜

2001年 米

監督:名前は知らないが多分俺の同類

 映画の前半、チアリーダーのヒロインは、クラスに転校してきた冴えない男に声を掛けます。何故かといいますと、さわやか健康スポーツ野郎ばかりの学校で、男子の着ている服といえばポロシャツくらいしか知らなかったのに、その野郎ときたら妙なバンドのロゴの入ったTシャツを着ていたからですね。
「あら、“クラッシュ”?あなたのバンド?」
「おい、クラッシュを知らないのか?」と得意げな冴えない男。
「知らない」
「70年代後半のイギリスのバンドさ、パンクの元祖だぜ」ますます得意げに解説する男。
「ふーん、古いモノ好きなのね(笑)」
ニタリと笑う冴えない男。のちに、いまだにクラッシュを有り難がり、クランプスやシド・ヴィシャスのポスターだらけの部屋で下手なギターを掻き鳴らして悦に入っているようなこの時代遅れの負け犬野郎が、なんということでしょう、チアリーダーのヒロインのハートを射止めるのです。それも彼女を励ますメッセージを散りばめたグリーンデイもどきの自作曲テープで。
素晴らしい映画です。
恐らくこの負け犬パンク野郎は監督自身でしょう。周囲の白い目にもめげず、我がの偏った趣味を貫いていれば、いつかはその心意気(と、本人だけが思っているもの)に共鳴してくるギャルが現れるはず・・・タランティーノの「トゥルー・ロマンス」とか、大槻ケンジの「グミ・チョコレート・パイン」とか、本当に世の中には厚顔無恥な奴だらけですね。

全然関係ないですが、黒人女ばかりのチアリーディング・チームにはかなり萌えました。

 

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