ブラザー・フッド


〜出来ることをするんだよ。だから上手くいくんだよ〜

2004 韓 

監督:えーと……忘れた


 人間、ある一定の年齢に達しますと、「やりたいこと」ではなく「できること」は一体なんなのか、そういうことを嫌が応にも考えざるを得なくなってきます。そして若者は長髪を切りギターを押入に仕舞い込んだりしてスーツなんか着ちゃってまともな会社に就職し、気が付けば誰も歌など聴いていない会社の飲み会3次会のカラオケで「アナーキー・イン・ザ・UK」などを歌っている己の存在自体にパラドックスを感じ、もはや自嘲的に笑うしかなくなってしまったりするのです。いきなり湿っぽい話になっちゃいましたが、この映画も随分ショッパイ物語でした。
 ドンゴン兄貴は靴職人になりたかったのですが、いろいろありまして弟ウォンビン君とともに戦場へ駆り出されることに。しかしまあ戦場に来てみると驚いた。ドンゴン兄貴は殺しの天才、まさにナチュラル・ボーン・キラーだったわけですね。
 この映画の最大の問題点は、ドンゴン兄貴がどれだけ本気で靴職人になりたがっていたのか戦争がなければ立派な靴職人になれるだけの素養があったのか、そのあたりがはっきりしないところです。
 なんやかんやでクライマックスには、おい、いくら作り話とはいえそれはないだろう、というようなどんでん返しがあったりするのですが、なんか上記の理由でスッキリしない。
 例えるなら「椿三十郎」で三船敏郎と真剣勝負をし、一瞬でやられてしまう仲代達也はほんとうに強かったのかどうかわからないので三船が凄いように思えないようなアン・スッキリ感……とか書いてみましたがあまりこの映画とは関係ないですね。
 
 

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